「動物園」と研究する―2.理想的な連携を考える
「はじめに」著者らは, 2013年度大会で初めて同タイトルの自由集会を開催した. 初回同様, 2回目の本稿においても公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)に加盟する動物園と水族館とを「動物園」と呼ぶ. 近年, 動物園機能の目標は「生きている図鑑」から, 「種の保存」に大きくシフトした. これは, 研究者目線の動物園が, 骨格やDNA試料の収蔵庫型から, 生理・生態調査のField併設型の博物館へ変革しつつあることを意味している. そして, 「種の保存」には, 研究からもたらされる種特有の生活史の反映が必須であると同時に, 飼育下での知見もまた, 野生動物の保護・保全に還元されるべき価値を...
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Veröffentlicht in: | 哺乳類科学 2018, Vol.58(1), pp.111-112 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」著者らは, 2013年度大会で初めて同タイトルの自由集会を開催した. 初回同様, 2回目の本稿においても公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)に加盟する動物園と水族館とを「動物園」と呼ぶ. 近年, 動物園機能の目標は「生きている図鑑」から, 「種の保存」に大きくシフトした. これは, 研究者目線の動物園が, 骨格やDNA試料の収蔵庫型から, 生理・生態調査のField併設型の博物館へ変革しつつあることを意味している. そして, 「種の保存」には, 研究からもたらされる種特有の生活史の反映が必須であると同時に, 飼育下での知見もまた, 野生動物の保護・保全に還元されるべき価値を持っている. さらに, 博物館法に規定された施設としての動物園を維持・発展させるためには, 研究者との連携によって客観的動物資料を後世に残すとともに, 世界中からアクセスできる機能が不可欠である. そこで, 本稿を動物園における研究活動のために, 研究者との連携について改めて提言し, 実りある将来へ向けたきっかけとしたい. (文責:畑瀬淳, 小林秀司, 郡司芽久) |
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ISSN: | 0385-437X 1881-526X |
DOI: | 10.11238/mammalianscience.58.111 |