福島原発事故後の野生哺乳類保護管理の現状と課題

「はじめに」東日本大震災(2011年3月)による福島第一原子力発電所の事故によって, 福島県を中心に広く放射能汚染地帯が発生したため, 野生動物への影響が懸念されている. このため, われわれは2012年5月に野生動物関連4学会合同シンポジウムを開催し, その後継続的に, 日本哺乳類学会の大会において集会を開催してきた [2012年度大会, 2013年度大会参照]. 事故後3年半を経過し, 環境中に放出された放射性物質の野生動物への蓄積と影響に関する研究が進められ, 成果が報告されつつある. しかし, 放射能汚染の全容は明らかになっていない上に, 被災地における野生動物の管理は遅々として進んで...

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Veröffentlicht in:哺乳類科学 2015, Vol.55(1), pp.85-86
Hauptverfasser: 山田, 文雄, 仲谷, 淳, 大井, 徹, 大槻, 晃太, 大沼, 学, 小金澤, 正昭, 堀野, 眞一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」東日本大震災(2011年3月)による福島第一原子力発電所の事故によって, 福島県を中心に広く放射能汚染地帯が発生したため, 野生動物への影響が懸念されている. このため, われわれは2012年5月に野生動物関連4学会合同シンポジウムを開催し, その後継続的に, 日本哺乳類学会の大会において集会を開催してきた [2012年度大会, 2013年度大会参照]. 事故後3年半を経過し, 環境中に放出された放射性物質の野生動物への蓄積と影響に関する研究が進められ, 成果が報告されつつある. しかし, 放射能汚染の全容は明らかになっていない上に, 被災地における野生動物の管理は遅々として進んでいない. これには, 汚染による人体への影響が懸念される地域では人間活動が制限されていることや, 調査研究内容が多様で多くの機関が関わっており, 情報の公開, 共有が進んでいないことが原因と考えられる.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.55.85