ヤクシマダケ草原におけるヤクシカの生息密度推定

ニホンジカ(Cervus nippon)の生息密度と空間分布の把握は被害管理や保全対策上非常に重要であるが,屋久島の高標高域に広がるヤクシマダケ(Pseudosasa owatarii)草原におけるヤクシカ(C. nippon yakushimae)の生息密度は不明である.2009年11月に行った糞塊調査から生息密度を試算したところ,平均で14.09頭/km2という密度が得られた.この推定密度の精度については注意が必要であるものの過小評価である可能性は低く,ヤクシマダケ草原周辺の森林域での密度に比べて低密度であると考えられた.生態や行動などの基礎情報が不明なままのヤクシマダケ草原におけるヤクシ...

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Veröffentlicht in:哺乳類科学 2012, Vol.52(2), pp.223-227
Hauptverfasser: 幸田, 良介, 川村, 貴志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ニホンジカ(Cervus nippon)の生息密度と空間分布の把握は被害管理や保全対策上非常に重要であるが,屋久島の高標高域に広がるヤクシマダケ(Pseudosasa owatarii)草原におけるヤクシカ(C. nippon yakushimae)の生息密度は不明である.2009年11月に行った糞塊調査から生息密度を試算したところ,平均で14.09頭/km2という密度が得られた.この推定密度の精度については注意が必要であるものの過小評価である可能性は低く,ヤクシマダケ草原周辺の森林域での密度に比べて低密度であると考えられた.生態や行動などの基礎情報が不明なままのヤクシマダケ草原におけるヤクシカに対して,今後はより精度の高い密度推定やその他の生態調査を進めていくことが求められる.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.52.223