北海道札幌市におけるクロオオアブラコウモリHypsugo alaschanicus(Bobrinskii, 1926)の新たな記録

「摘要」札幌市手稲区(43°07'N, 141°11'E)で2007年11月9日に拾得されたコウモリは, クロオオアブラコウモリと同定され, 日本において8番目, 札幌においては4番目の報告となった. 日本でこれまで報告されているクロオオアブラコウモリ標本と本拾得個体の頭骨を精査した結果, これまで指摘されてきたように, 上顎第二前臼歯が消失傾向にあることが明確となった. また, キタクビワコウモリとクロオオアブラコウモリを比較すると, 上顎犬歯咬頭後稜の向きおよび下顎犬歯の高さと第四前臼歯の高さの比率が種識別に有効であることがわかった. 「はじめに」クロオオアブラコウモリ...

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Veröffentlicht in:哺乳類科学 2011-06, Vol.51 (1), p.39-45
Hauptverfasser: 近藤憲久, 河合久仁子, 村野紀雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「摘要」札幌市手稲区(43°07'N, 141°11'E)で2007年11月9日に拾得されたコウモリは, クロオオアブラコウモリと同定され, 日本において8番目, 札幌においては4番目の報告となった. 日本でこれまで報告されているクロオオアブラコウモリ標本と本拾得個体の頭骨を精査した結果, これまで指摘されてきたように, 上顎第二前臼歯が消失傾向にあることが明確となった. また, キタクビワコウモリとクロオオアブラコウモリを比較すると, 上顎犬歯咬頭後稜の向きおよび下顎犬歯の高さと第四前臼歯の高さの比率が種識別に有効であることがわかった. 「はじめに」クロオオアブラコウモリHypsugo alaschanicus(Bobrinskii, 1926)は, モンゴル, 中国, ロシア極東部, 朝鮮半島および日本に生息する(Simmons 2005). 本種は, 以前Pipistrellus savii(Bonaparte, 1837)に分類され, ヨーロッパから中央アジア, 日本にかけて分布するとされていた(今泉1960, 1970;Corbet 1978;前田2005a).
ISSN:0385-437X