アルゴスシステムによるツキノワグマの追跡事例
日本の山岳地帯に生息する大型哺乳類の位置推定を自動化する方法としてアルゴス衛星による追跡システムの実用性を検討した.まず,位置既知の発信機(Telonics社製 ST-14PTT)を対象に誤差を実測したところ,225m~9500m であった.次いで,2頭の野生グマに発信機を装着したが,位置データはそれぞれ2.8と0.7点/日,位置推定誤差の標準偏差が350m未満のデータは0.50と0.10点/日得られた.アルゴスシステムの性能は今後さらに改善されるが,標高が実測できないので,標高差の激しい日本の山岳地帯で適用する場合,誤差の程度が予測できないことが問題として残る.しかし,最近,GPS で標高も...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 哺乳類科学 2002, Vol.42(2), pp.123-128 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 日本の山岳地帯に生息する大型哺乳類の位置推定を自動化する方法としてアルゴス衛星による追跡システムの実用性を検討した.まず,位置既知の発信機(Telonics社製 ST-14PTT)を対象に誤差を実測したところ,225m~9500m であった.次いで,2頭の野生グマに発信機を装着したが,位置データはそれぞれ2.8と0.7点/日,位置推定誤差の標準偏差が350m未満のデータは0.50と0.10点/日得られた.アルゴスシステムの性能は今後さらに改善されるが,標高が実測できないので,標高差の激しい日本の山岳地帯で適用する場合,誤差の程度が予測できないことが問題として残る.しかし,最近,GPS で標高も含めて正確な位置を測定した後アルゴスシステムでそのデータを回収する装置が実用化されており,これに期待したい. |
---|---|
ISSN: | 0385-437X 1881-526X |
DOI: | 10.11238/mammalianscience.42.123 |