膵管胆道合流異常に対する腹腔鏡下手術の経験

症例1は30歳女性,右季肋部痛を主訴に来院し,精査にて総胆管の囊腫状拡張を伴う膵管胆道合流異常と診断し,腹腔鏡下に総胆管拡張部切除および総肝管十二指腸吻合を施行した。症例2は53歳女性,上腹部痛を主訴に近医受診し,USにて胆囊ポリープを指摘され当院に紹介された。USおよびEUSにて,胆囊に複数の隆起性病変を認め,最大径は25mmであった。ERCPにて,総胆管非拡張型の膵管胆道合流異常の合併を認めた。腹腔鏡下胆囊摘出術を施行し,術中迅速にて良性腫瘍であることを確認した後,腹腔鏡下に総胆管切除および総肝管十二指腸吻合術を施行した。症例1,2ともに手術は完全腹腔鏡下に行い,術後5日目より食事摂取を開...

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Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2000/11/15, Vol.57(2), pp.75-79
Hauptverfasser: 村井, 信二, 元神, 賢太, 藤田, 晃司, 半田, 真一, 中村, 明彦, 山内, 秀夫, 松井, 淳一, 雨宮, 哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例1は30歳女性,右季肋部痛を主訴に来院し,精査にて総胆管の囊腫状拡張を伴う膵管胆道合流異常と診断し,腹腔鏡下に総胆管拡張部切除および総肝管十二指腸吻合を施行した。症例2は53歳女性,上腹部痛を主訴に近医受診し,USにて胆囊ポリープを指摘され当院に紹介された。USおよびEUSにて,胆囊に複数の隆起性病変を認め,最大径は25mmであった。ERCPにて,総胆管非拡張型の膵管胆道合流異常の合併を認めた。腹腔鏡下胆囊摘出術を施行し,術中迅速にて良性腫瘍であることを確認した後,腹腔鏡下に総胆管切除および総肝管十二指腸吻合術を施行した。症例1,2ともに手術は完全腹腔鏡下に行い,術後5日目より食事摂取を開始し10日目に退院した。平均手術時間は7時間31分であった。本法は,術後の内視鏡的経過観察も可能であり,適応を選択することにより,膵管胆道合流異常に対する侵襲の少ない優れた手術法の1つになり得ると考え報告する。
ISSN:0389-9403
2189-0021
0389-9403
DOI:10.11641/pdensks.57.2_75