上行結腸狭窄から日本住血吸虫症と内視鏡診断し得た高齢者の1例

「はじめに」日本住血吸虫症は日本で1996年に終息宣言がされ, 現在の新規感染者の報告はない. このため日本の内視鏡医は, 日本住血吸虫症の大腸内視鏡(Colonoscopy: CS)観察において, 以前流行地に居住していた高齢者の陳旧性粘膜変化でさえ経験することが稀となっている. 幼少期に感染した日本住血吸虫の虫卵の急性増悪から非常に稀な急性期のCS所見を呈していた症例を経験したので報告する. 「症例」患者: 81歳男性 主訴: 腹部膨満感 既往歴: 高血圧症, 気管支喘息, 外傷性硬膜下血腫. 生活歴: 18歳まで山梨県甲府市に在住. 現病歴: 来院12日前に腹部膨満感が出現, 近医採血で...

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Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2024/06/21, Vol.104(1), pp.112-114
Hauptverfasser: 和田, 直之, 湯原, 宏樹, 髙畑, 太輔, 鈴森, 知沙季, 芝本, 祐太, 佐藤, ももか, 渡邉, 一宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」日本住血吸虫症は日本で1996年に終息宣言がされ, 現在の新規感染者の報告はない. このため日本の内視鏡医は, 日本住血吸虫症の大腸内視鏡(Colonoscopy: CS)観察において, 以前流行地に居住していた高齢者の陳旧性粘膜変化でさえ経験することが稀となっている. 幼少期に感染した日本住血吸虫の虫卵の急性増悪から非常に稀な急性期のCS所見を呈していた症例を経験したので報告する. 「症例」患者: 81歳男性 主訴: 腹部膨満感 既往歴: 高血圧症, 気管支喘息, 外傷性硬膜下血腫. 生活歴: 18歳まで山梨県甲府市に在住. 現病歴: 来院12日前に腹部膨満感が出現, 近医採血でCRP上昇を認め当院紹介され入院となった. 入院時現症: 37.0℃, 右下腹部の圧痛を認めた. 血液所見: 白血球10,000/μL, Neu 64.0%, CRP 8.13mg/dL.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.104.1_112