内視鏡像で病態を推察しえた結腸憩室炎穿通による小腸イレウスの1例

「はじめに」われわれは, 開腹歴のない初発の小腸イレウス症例において, 原因検索目的で施行した下部消化管内視鏡検査時の内視鏡像から, 病態機序を推察しつつ, 治療方針を決定しえた興味深い1例を経験した. 示唆に富む症例と考えられたため, その内視鏡像とともに報告する. 「症例」「症例」: 40歳代, 女性. 「主訴」: 左下腹部痛. 「既往歴」: 特記事項なし. 「現病歴」: 当院初診2週間前に左下腹部痛を主訴に近医受診した. 血液検査で炎症反応が高値で, 腹部単純写真で亜イレウス状態であったが, 補液と抗菌薬投与で数日後に軽快した. しかし初診4日前から疼痛が再燃, 嘔吐を併発し当院を受診し...

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Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2018/06/15, Vol.92(1), pp.120-121
Hauptverfasser: 富, 雄太郎, 上野, 明子, 横山, 登, 島村, 勇人, 田邊, 万葉, 角, 一弥, 郷田, 憲一, 浦上, 尚之, 井上, 晴洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」われわれは, 開腹歴のない初発の小腸イレウス症例において, 原因検索目的で施行した下部消化管内視鏡検査時の内視鏡像から, 病態機序を推察しつつ, 治療方針を決定しえた興味深い1例を経験した. 示唆に富む症例と考えられたため, その内視鏡像とともに報告する. 「症例」「症例」: 40歳代, 女性. 「主訴」: 左下腹部痛. 「既往歴」: 特記事項なし. 「現病歴」: 当院初診2週間前に左下腹部痛を主訴に近医受診した. 血液検査で炎症反応が高値で, 腹部単純写真で亜イレウス状態であったが, 補液と抗菌薬投与で数日後に軽快した. しかし初診4日前から疼痛が再燃, 嘔吐を併発し当院を受診した. 腹部単純写真で小腸イレウスと診断し, 精査加療目的に入院した. 「入院時現症」: 体温36.5℃, 血圧116/62mmHg, 脈拍64回/分. 左下腹部に圧痛があったが, 反跳痛, 筋性防御はなく, 腸蠕動音は亢進していた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.92.1_120