術後再建腸管に対する小腸鏡併用ERCPの偶発症の検討
【目的】術後再建腸管に対する小腸鏡併用下のERCPの有用性が報告されているが,偶発症対策も重要である.今回,当科で経験した症例の偶発症について検討した.【方法】2011年4月から2017年8月までに当科で術後再建腸管に対してシングルバルーン内視鏡下ERCPを施行した493件を対象に,目的部位への到達率,処置完遂率,処置時間,偶発症について検討した.なお当科では全例CO2送気を使用している.【結果】再建法の内訳は,Billroth Ⅱ 58例,膵頭十二指腸切除術53例,胆管空腸吻合273例,R-Y再建99例,その他10件.検査全体での到達率は94.1%,処置完遂率は88.0%,平均処置時間は57...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2018/06/15, Vol.92(1), pp.64-68 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】術後再建腸管に対する小腸鏡併用下のERCPの有用性が報告されているが,偶発症対策も重要である.今回,当科で経験した症例の偶発症について検討した.【方法】2011年4月から2017年8月までに当科で術後再建腸管に対してシングルバルーン内視鏡下ERCPを施行した493件を対象に,目的部位への到達率,処置完遂率,処置時間,偶発症について検討した.なお当科では全例CO2送気を使用している.【結果】再建法の内訳は,Billroth Ⅱ 58例,膵頭十二指腸切除術53例,胆管空腸吻合273例,R-Y再建99例,その他10件.検査全体での到達率は94.1%,処置完遂率は88.0%,平均処置時間は57.1分であった.偶発症の発生頻度は5.0%(25/493件)で,内訳は消化管穿孔1.2%(6/493件),粘膜裂創1.6%(8/493件),膵炎1.8%(9/493件),胆管損傷0.2%(1/493件),ガス塞栓0.2%(1/493件)であった.穿孔例はクリップでの縫縮によりほぼ保存的に軽快し,ガス塞栓の症例は処置中突然の血中酸素飽和度の低下から心肺停止となったが,救急処置により救命できた.【考察】術後再建腸管に対する小腸鏡併用下のERCPは有用性も高いが,重篤な合併症も起こりうるので全身管理も含めた十分な知識と対策が必要である. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.92.1_64 |