当院における悪性胆道狭窄に対する経乳頭的病理診断能の検討
悪性胆道狭窄に対する病理組織診断は,検体採取が容易でないこともあり,診断に苦慮することも少なくない.当院では経乳頭的胆汁細胞診,擦過細胞診,胆管生検を組み合わせて正診率の向上に努めている.今回,当院における病理診断の現状を把握する目的で後ろ向きに検討した.対象は悪性胆道狭窄41例で,細胞診class Ⅳ,組織診group Ⅳ以上を悪性と診断した.検体は経乳頭的胆汁吸引細胞診,擦過細胞診,胆管生検,擦過直後の胆汁細胞診,経鼻胆道ドレナージチューブからの後日胆汁細胞診とし,正診率を比較した.胆管生検の正診率が85.7%と最も高く,後日胆汁細胞診が25.0%と最も低かった.胆汁細胞診は26.8%,擦...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2017/12/08, Vol.91(1), pp.72-75 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 悪性胆道狭窄に対する病理組織診断は,検体採取が容易でないこともあり,診断に苦慮することも少なくない.当院では経乳頭的胆汁細胞診,擦過細胞診,胆管生検を組み合わせて正診率の向上に努めている.今回,当院における病理診断の現状を把握する目的で後ろ向きに検討した.対象は悪性胆道狭窄41例で,細胞診class Ⅳ,組織診group Ⅳ以上を悪性と診断した.検体は経乳頭的胆汁吸引細胞診,擦過細胞診,胆管生検,擦過直後の胆汁細胞診,経鼻胆道ドレナージチューブからの後日胆汁細胞診とし,正診率を比較した.胆管生検の正診率が85.7%と最も高く,後日胆汁細胞診が25.0%と最も低かった.胆汁細胞診は26.8%,擦過後細胞診は28.6%,擦過細胞診は39.5%であった.悪性胆道狭窄では胆管生検が診断に最も有用であったものの,検体採取に苦慮した症例ではEUS-FNABやPOCS下生検も考慮する必要があると考えられた. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.91.1_72 |