膵液採取方法を工夫して診断できた膵管内乳頭粘液性腺癌由来浸潤癌の1例

「はじめに」膵液採取方法として, 内視鏡下に膵管カニューレを挿入し吸引採取する吸引細胞診, 膵管内を生理食塩水で洗浄する洗浄細胞診, 専用ブラシを用いて細胞剥離を図るブラッシング細胞診, 内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(endoscopic nasal pancreatic drainage: ENPD)チューブ留置による膵液細胞診などがある. しかし, 粘稠度の高い膵液は通常のカテーテルやENPDチューブでは採取困難である. 今回, 我々は粘稠度の高い膵液の採取方法を工夫し, 有用であったので報告する. 「症例」「患者」: 60歳代, 男性. 「主訴」: 腹痛, 体重減少. 「既往歴」: 高血圧, 脂質異常症, 高尿酸血症. 「家族歴」: 父が脳梗塞. 「生活歴」: 飲酒ビール350ml/日, 喫煙20本/日×40年. 「現病歴」: 心窩部痛と半年で8kgの体重減少があったため近医を受診.