便潜血陽性を契機に診断された特発性腸間膜静脈硬化症の1例

「はじめに」 特発性腸間膜静脈硬化症は, 山梔子を含有する漢方薬の長期間内服が関与する疾患として報告されている. 今回, 24年間にわたり加味逍遙散を服薬している患者が, 便潜血陽性のため下部消化管内視鏡検査を施行し, 特発性腸間膜静脈硬化症と診断した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 77歳, 女性. 主訴 : 黒色便. 既往歴 : 高血圧, 骨粗鬆症, めまい症. 手術歴 : 虫垂炎, 子宮筋腫, 胆嚢炎. 常用薬 : 加味逍遙散7.5g, 苓桂朮甘湯5.0g, アムロジピン, リセドロン酸, メコバラミン, リマプロスト, アデノシン3リン酸, ジフェニドール. 現病歴 :...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2015/06/18, Vol.86(1), pp.186-187
Hauptverfasser: 遠藤, 翔, 栗原, 直人, 佐々木, 康裕, 松田, 英士, 森, 一世, 高木, めぐみ, 市原, 明子, 松浦, 芳文, 井上, 聡, 柳川, 達生, 飯田, 修平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 特発性腸間膜静脈硬化症は, 山梔子を含有する漢方薬の長期間内服が関与する疾患として報告されている. 今回, 24年間にわたり加味逍遙散を服薬している患者が, 便潜血陽性のため下部消化管内視鏡検査を施行し, 特発性腸間膜静脈硬化症と診断した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 77歳, 女性. 主訴 : 黒色便. 既往歴 : 高血圧, 骨粗鬆症, めまい症. 手術歴 : 虫垂炎, 子宮筋腫, 胆嚢炎. 常用薬 : 加味逍遙散7.5g, 苓桂朮甘湯5.0g, アムロジピン, リセドロン酸, メコバラミン, リマプロスト, アデノシン3リン酸, ジフェニドール. 現病歴 : めまい症と神経症に対して24年間にわたり加味逍遙散と苓桂朮甘湯が処方されていた. 受診4カ月前から軟便と黒色便がみられた. 2カ月前には軟便は改善したが, 黒色便(色調変化)は続いていた. 本人は無症状のため医療機関を受診せず放置していたが, 健康診断で便潜血陽性を指摘され, 当院へ紹介受診した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.86.1_186