胃軸捻転症に対し内視鏡的整復が有効であった1例

「はじめに」 食道裂孔ヘルニアは, 日常診療においてしばしば遭遇する疾患である. 一方, 胃軸捻転症は胃の脱出が高度で著しく捻転する稀な病態であり臓器軸性(長軸性), 間膜軸性(短軸性)および混合型に分類される. 今回, 食道裂孔ヘルニアに伴った臓器軸性の胃軸捻転に対して内視鏡的整復が有効であった1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 87歳, 女性. 主訴 : 嘔吐. 既往歴 : 慢性心不全, アルツハイマー型認知症. 現病歴 : 左大腿骨転子部骨折にて当院整形外科入院し, 第4病日に観血的整復固定術が行われた. 第23病日頃より反復性嘔吐と呼吸困難を認めたため当院内科に転科となっ...

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Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2015/06/18, Vol.86(1), pp.134-135
Hauptverfasser: 黒澤, 貴志, 新戸, 禎哲, 飯田, 健太, 山口, 忍, 海老島, 瑠奈, 奥村, 貴子, 澤田, 孝繁, 水野, 真之, 山本, 浩文, 松浦, 直孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 食道裂孔ヘルニアは, 日常診療においてしばしば遭遇する疾患である. 一方, 胃軸捻転症は胃の脱出が高度で著しく捻転する稀な病態であり臓器軸性(長軸性), 間膜軸性(短軸性)および混合型に分類される. 今回, 食道裂孔ヘルニアに伴った臓器軸性の胃軸捻転に対して内視鏡的整復が有効であった1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 87歳, 女性. 主訴 : 嘔吐. 既往歴 : 慢性心不全, アルツハイマー型認知症. 現病歴 : 左大腿骨転子部骨折にて当院整形外科入院し, 第4病日に観血的整復固定術が行われた. 第23病日頃より反復性嘔吐と呼吸困難を認めたため当院内科に転科となった. 転科時現症 : 体温36.5℃, 身長133cm, 体重29.2kg, 血圧110/72mmHg, 脈拍70回/分・整, 腹部平坦・軟, 圧痛なし. 臨床検査成績 : WBC 16,050/μl, CRP 5.5mg/dlと炎症反応の上昇およびBUN 34.2mg/dlと軽度腎機能障害を認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.86.1_134