抗血栓薬服用者における内視鏡的粘膜生検の安全性についての検討
「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」(以下,ガイドライン)が2012年に改訂され,当院では2013年1月より本ガイドラインを導入している。今回,上部消化管内視鏡における抗血栓薬服用継続下での内視鏡的粘膜生検の安全性と,抗血栓薬休薬に伴う血栓性偶発症について検討した。当院にて2011年7月〜2014年7月までに施行した通常経口上部消化管内視鏡23,473例中,抗血栓薬服用3,078例(ヘパリン置換例を除く)を対象とし,ガイドライン導入前後において抗血栓薬継続下の粘膜生検施行率,出血性偶発症,血栓性偶発症について後ろ向きに調査した。粘膜生検の施行は,ガイドライン導入前1,163例...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2015/06/18, Vol.86(1), pp.53-57 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」(以下,ガイドライン)が2012年に改訂され,当院では2013年1月より本ガイドラインを導入している。今回,上部消化管内視鏡における抗血栓薬服用継続下での内視鏡的粘膜生検の安全性と,抗血栓薬休薬に伴う血栓性偶発症について検討した。当院にて2011年7月〜2014年7月までに施行した通常経口上部消化管内視鏡23,473例中,抗血栓薬服用3,078例(ヘパリン置換例を除く)を対象とし,ガイドライン導入前後において抗血栓薬継続下の粘膜生検施行率,出血性偶発症,血栓性偶発症について後ろ向きに調査した。粘膜生検の施行は,ガイドライン導入前1,163例,導入後1,915例であった。ガイドライン導入前後における結果は,抗血栓薬継続下での粘膜生検施行率16例(2.3%)/244例(17%)(P<0.001),生検時出血0例(0%)/1例(0.4%),生検後出血0例(0%)/0例(0%),抗血栓薬休薬に伴う血栓性塞栓症の発症1例(0.2%)/1例(0.2%)であった。抗血栓薬服用継続下での内視鏡的粘膜生検施行率は有意に増加していたが,出血性偶発症の増加はなく,安全に施行できていた.抗血栓薬休薬に伴う血栓塞栓症の発症があり,抗血栓薬服用症例ではガイドラインに準じた対応が望ましい。 |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.86.1_53 |