66. 腹水を契機に発見された直腸肛門部悪性黒色腫の1例

「はじめに」直腸肛門部悪性黒色腫は非常に稀な疾患であり, 全悪性黒色腫の0.4~1.6%, 直腸肛門部の悪性腫瘍の0.38~1%とされ, 早期から血行性, リンパ行性に転移を来し予後不良である. 今回我々は腹水を契機に発見されたStage IVの直腸肛門部悪性黒色腫を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者: 74歳, 女性. 主訴: 腹部膨満感. 既往歴: 60歳時に高血圧. 70歳時にアルツハイマー型認知症. 72歳時に人工骨頭置換術. 家族歴: 特記すべきことなし. 現病歴: 約2週間続く腹部膨満感を主訴に近医受診. 腹部超音波検査で大量の腹水を認め, 当院紹介受診....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy(2001年から) 2014-06, Vol.84 (1), p.182-184
Hauptverfasser: 別府加寿子, 坂本直人, 武田武史, 磯野彩, 山本悠子, 石井重登, 小谷知弘, 水井智和, 猪狩功遺, 折笠英紀, 渡辺純夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」直腸肛門部悪性黒色腫は非常に稀な疾患であり, 全悪性黒色腫の0.4~1.6%, 直腸肛門部の悪性腫瘍の0.38~1%とされ, 早期から血行性, リンパ行性に転移を来し予後不良である. 今回我々は腹水を契機に発見されたStage IVの直腸肛門部悪性黒色腫を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者: 74歳, 女性. 主訴: 腹部膨満感. 既往歴: 60歳時に高血圧. 70歳時にアルツハイマー型認知症. 72歳時に人工骨頭置換術. 家族歴: 特記すべきことなし. 現病歴: 約2週間続く腹部膨満感を主訴に近医受診. 腹部超音波検査で大量の腹水を認め, 当院紹介受診. 腹水の精査, 加療目的に同日緊急入院となった. 入院時現症: 腹部膨満, 波動あり. 右鼠径部リンパ節触知, 両下腿浮腫あり. 肛門部の視診で, 直腸肛門縁より脱出する黒色調を呈した弾性硬の隆起性病変を認め, 直腸診では, 下部直腸に弾性硬の隆起性病変を触知した.
ISSN:1348-9844