出血部位の同定に放射線診断が有用であった大腸憩室出血2症例

「症例」症例1:59歳, 女性. 血便を主訴に来院. 3日前から暗赤色の血便が1日4-5回あり, 受診当日も血便が続き, ふらつきを伴った. 腹痛, 発熱なし. 既往として高血圧, 高脂血症, ラクナ梗塞があり, イコサペント酸エチルを内服していた. WBC 8030/μl, Hgb 10.6g/dl, PLT 21.6×104/μl, CRP 0.04mg/dlであり, その他の異常は認められなかった. 腹部造影CT検査で上行結腸に造影剤の漏出を認めた(Fig. 1). 直後に微温湯浣腸による前処置を施して下部消化管内視鏡検査を行ったが, 鮮血貯留を認めるものの明らかな出血点は不明であった....

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Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2011/06/10, Vol.78(2), pp.130-131
Hauptverfasser: 市川, 欧子, 神野, 彰, 菅野, 真理子, 金野, 朗, 櫻井, 則男, 山田, 俊夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「症例」症例1:59歳, 女性. 血便を主訴に来院. 3日前から暗赤色の血便が1日4-5回あり, 受診当日も血便が続き, ふらつきを伴った. 腹痛, 発熱なし. 既往として高血圧, 高脂血症, ラクナ梗塞があり, イコサペント酸エチルを内服していた. WBC 8030/μl, Hgb 10.6g/dl, PLT 21.6×104/μl, CRP 0.04mg/dlであり, その他の異常は認められなかった. 腹部造影CT検査で上行結腸に造影剤の漏出を認めた(Fig. 1). 直後に微温湯浣腸による前処置を施して下部消化管内視鏡検査を行ったが, 鮮血貯留を認めるものの明らかな出血点は不明であった. 禁飲食と輸液管理, 安静にて経過観察していたが, 翌日以降も血便が続き, 貧血も進行した. 経口腸管洗浄剤による前処置を施して下部消化管内視鏡検査を行い, 来院時のCT検査で造影剤の漏出を認めたのとほぼ一致する上行結腸バウヒン弁近くの憩室より湧出性出血を認め(Color 1), クリップ止血術を行った.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.78.2_130