拡大観察が有用であった十二指腸下行部隆起型微小早期癌の1例

「はじめに」十二指腸下行部の微小隆起性病変に対し, 生検はGroup3であったが, NBI拡大観察で癌を疑い, ESDにより治癒切除を得た早期癌の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:70歳代後半, 女性. 既往歴:高血圧, 神経症のため内服治療中. 現病歴:心窩部痛のため近医で上部消化管内視鏡検査を行い, 十二指腸乳頭対側に小隆起性病変を認め, 生検でGroup3, 高度異型を伴う管状腺腫であったため, 精査加療目的で当院に紹介され受診した. 内視鏡所見:通常観察(Color1)で, 十二指腸下行部の乳頭対側にやや白色調の小隆起性病変を認め, 白色光の拡大観察(Color2)では, 白...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2010/12/10, Vol.77(2), pp.100-101
Hauptverfasser: 小野里, 康博, 飯塚, 春尚, 蘇原, 直人, 萩原, 聡, 新井, 理記, 石原, 弘, 小川, 哲史, 富澤, 直樹, 伊藤, 秀明, 柿崎, 暁, 藤盛, 孝博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」十二指腸下行部の微小隆起性病変に対し, 生検はGroup3であったが, NBI拡大観察で癌を疑い, ESDにより治癒切除を得た早期癌の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:70歳代後半, 女性. 既往歴:高血圧, 神経症のため内服治療中. 現病歴:心窩部痛のため近医で上部消化管内視鏡検査を行い, 十二指腸乳頭対側に小隆起性病変を認め, 生検でGroup3, 高度異型を伴う管状腺腫であったため, 精査加療目的で当院に紹介され受診した. 内視鏡所見:通常観察(Color1)で, 十二指腸下行部の乳頭対側にやや白色調の小隆起性病変を認め, 白色光の拡大観察(Color2)では, 白く縁取りされた不整, 不均一な表面構造が観察され, 周囲の正常粘膜との相違は明瞭であった. NBI拡大観察(Color3)では, 口径不同な異常血管が明瞭に観察され, 表面構造の不整もより鮮明に観察された. 治療経過:生検で腫瘍性変化を認め, NBI拡大観察によって表面構造の不整と異常血管を認めるため, 癌の可能性が高いと診断した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.77.2_100