サイトメガロウイルス腸炎を合併した初発の潰瘍性大腸炎の1例
「和文要旨」症例は70歳男性. 癒着性腸閉塞にて癒着剥離術を施行したが, 退院約1ヵ月後より腹痛, 下血を認め再入院となった. 大腸内視鏡検査, サイトメガロウイルス抗原検査よりサイトメガロウイルス腸炎を合併した潰瘍性大腸炎と診断した. UCの経過中やステロイド投与例においてCMV腸炎の合併を認める報告はあるが, 本症例のように明らかな免疫不全患者ではなくステロイド投与歴もない初発のUC患者の合併は稀であるため報告した. 「症例」患者:70歳, 男性. 主訴:腹痛, 下痢, 下血. 既往歴:平成7年胃癌にて2/3胃切除. 現病歴:平成18年2月20日から3月24日まで癒着性腸閉塞および敗血症に...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2008/06/15, Vol.72(2), pp.98-99 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「和文要旨」症例は70歳男性. 癒着性腸閉塞にて癒着剥離術を施行したが, 退院約1ヵ月後より腹痛, 下血を認め再入院となった. 大腸内視鏡検査, サイトメガロウイルス抗原検査よりサイトメガロウイルス腸炎を合併した潰瘍性大腸炎と診断した. UCの経過中やステロイド投与例においてCMV腸炎の合併を認める報告はあるが, 本症例のように明らかな免疫不全患者ではなくステロイド投与歴もない初発のUC患者の合併は稀であるため報告した. 「症例」患者:70歳, 男性. 主訴:腹痛, 下痢, 下血. 既往歴:平成7年胃癌にて2/3胃切除. 現病歴:平成18年2月20日から3月24日まで癒着性腸閉塞および敗血症にて当院消化器外科入院し, 癒着剥離術およびエンドトキシン吸着療法にて軽快退院. 退院後は特に症状もなく社会復帰していたが約1ヵ月後の4月中旬より腹痛, 下痢, 新鮮血下血を認め5月10日当院消化器内科に入院となった. 入院時症状:間欠的腹痛, 下痢, 下血(10行/日, 血性泥状). 入院時現症:身長159.1cm, 体重46.3kg, 体温38.6℃, 血圧106/83mmHg, 脈拍90/min・整, 眼瞼結膜貧血あり, 眼球結膜黄染なし, 胸部理学的所見に異常認めず, 腹部正中に手術痕あり, 雑音正常範囲内, 下腹部に圧痛を認めるが筋性防御なし, 直腸指診にて痔核認めず. 入院時検査所見:WBC 9,200/μl, CRP 2.26mg/dlと炎症を, Hb 9.8/dlと正球性貧血を認めた(Table 1)大腸内視鏡所見(第5病日):直腸から横行結腸まで連続性に血管透見消失と粗 粘膜を認め, 易出血症でびらんが多発していた(Fig.1). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.72.2_98 |