術後急速に肝転移, 門脈腫瘍塞栓をきたしたAFP, PIVKA II産生胃癌の1例

症例は70歳, 男性. 平成17年11月, 心窩部痛で近医を受診. 胃腫瘍が認められ当院を紹介された. 前庭部に2型腫瘍, 体下部小彎にIIa病変が認められ, 平成18年1月6日幽門側胃切除術を施行. 翌日より肝胆道系酵素が3桁で推移, 2月10日のUSで肝内に高エコー腫瘤, CTで門脈腫瘍塞栓が認められ, 生検で胃癌肝転移と判明した. AFP, PIVKA IIが高値, 免疫組織学的に原発巣, 転移巣でその局在が確認された貴重な1例を経験した. はじめに α-fetoprotein(以下, AFP), Protein induced vitamin K absence-II(以下, PIVK...

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Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2007-11, Vol.71 (2), p.80-82
Hauptverfasser: 草野昌男, 横山顕礼, 越田真介, 島田憲宏, 山極哲也, 小島康弘, 大楽尚弘, 小島敏明, 池谷伸一, 樋渡信夫, 浅野重之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は70歳, 男性. 平成17年11月, 心窩部痛で近医を受診. 胃腫瘍が認められ当院を紹介された. 前庭部に2型腫瘍, 体下部小彎にIIa病変が認められ, 平成18年1月6日幽門側胃切除術を施行. 翌日より肝胆道系酵素が3桁で推移, 2月10日のUSで肝内に高エコー腫瘤, CTで門脈腫瘍塞栓が認められ, 生検で胃癌肝転移と判明した. AFP, PIVKA IIが高値, 免疫組織学的に原発巣, 転移巣でその局在が確認された貴重な1例を経験した. はじめに α-fetoprotein(以下, AFP), Protein induced vitamin K absence-II(以下, PIVKA II)は, ともに肝細胞癌の腫瘍マーカーとして広く用いられている. ところが, 稀ではあるが, AFP, PIVKA IIが胃癌で高値を示す症例が存在する. 今回我々は, 術直後より肝障害をきたし, 急速に肝転移, 門脈腫瘍塞栓を併発したAFP, PIVAKA II産生胃癌と早期胃癌の同時性多発癌の1例を経験したので報告する.
ISSN:1348-9844