Endoscopic color Doppler ultrasonography(ECDUS)による血流の描出が診断に有用であった膵管内乳頭粘液性腺癌(IPMC)の1例

「和文要旨」56歳, 男性. 膵頭部に嚢胞性病変とVater乳頭口の開大を認めた. EUSでは結節状隆起を伴う冷房性嚢胞性病変を認めたが, ECDUSでは結節状隆起に動脈性血流は検出されず, 肥厚した嚢胞壁内に検出された. 分枝膵管型IPMCと診断し幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した. 切除標本の病理組織では, 粘液塊を嚢胞内に有するIPMCであった. 結節状隆起は粘液塊との鑑別を要したが, 嚢胞壁動脈性血流の描出が診断に有用であった. IPMTs8例の検討でもIPMCの診断には, ECDUSによる血流診断が有効であった. 「はじめに」膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papi...

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Hauptverfasser: 塙勝博, 西田均, 吉田仁, 石井成明, 池上覚俊, 馬場俊之, 野津史彦, 星野光典, 大堀真毅, 小池礼子, 草野満夫, 榎澤哲治, 諸星利男, 井廻道夫
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「和文要旨」56歳, 男性. 膵頭部に嚢胞性病変とVater乳頭口の開大を認めた. EUSでは結節状隆起を伴う冷房性嚢胞性病変を認めたが, ECDUSでは結節状隆起に動脈性血流は検出されず, 肥厚した嚢胞壁内に検出された. 分枝膵管型IPMCと診断し幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した. 切除標本の病理組織では, 粘液塊を嚢胞内に有するIPMCであった. 結節状隆起は粘液塊との鑑別を要したが, 嚢胞壁動脈性血流の描出が診断に有用であった. IPMTs8例の検討でもIPMCの診断には, ECDUSによる血流診断が有効であった. 「はじめに」膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary-mucinous tumors;IPMTs)は病理組織学的に過形成・腺腫・癌の総称であり, 各々を診断することは手術適応を考える上で重要である. EUSを中心とした質的診断は結節状隆起の高さなどによりなされているが, 一定の基準がなく鑑別診断には限界がある. 今回, 嚢胞壁動脈性血流がendoscopic color Doppler ultrasonography(ECDUS)により描出された膵管内乳頭粘液性腺癌(intraductal papillary-mucinous carcinoma;IPMC)の1例を経験し, IPMCにおける血流診断の有用性について検討した.
ISSN:1348-9844