遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)に発症した微小SM癌の1例
「和文要旨」症例は55歳, 男性. 34歳時に上行結腸癌, 51歳時に前立腺癌に罹患. 第1度近親者に3例の大腸癌を認め, いずれも50歳未満で診断を受けている. 大腸内視鏡サーベイランスにて, 下行結腸に長径5mmの表面型病変を認め, 内視鏡切除を施行し癌部は約2mmでsm浸潤, 脈管侵襲陽性であった. 遺伝子検査の結果, 本症例はMSH2遺伝子に胚細胞変異を認めた. 免疫組織化学検査では癌・腺腫・化生性成分ともh-MSH2の消失を認め, HNPCC患者の大腸癌発症を考える上で興味深い所見と考えられた. 「症例」患者:55歳, 男性. 現症:51歳時に前立腺癌の治療を契機に, 当院にて大腸内...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 「和文要旨」症例は55歳, 男性. 34歳時に上行結腸癌, 51歳時に前立腺癌に罹患. 第1度近親者に3例の大腸癌を認め, いずれも50歳未満で診断を受けている. 大腸内視鏡サーベイランスにて, 下行結腸に長径5mmの表面型病変を認め, 内視鏡切除を施行し癌部は約2mmでsm浸潤, 脈管侵襲陽性であった. 遺伝子検査の結果, 本症例はMSH2遺伝子に胚細胞変異を認めた. 免疫組織化学検査では癌・腺腫・化生性成分ともh-MSH2の消失を認め, HNPCC患者の大腸癌発症を考える上で興味深い所見と考えられた. 「症例」患者:55歳, 男性. 現症:51歳時に前立腺癌の治療を契機に, 当院にて大腸内視鏡サーベイランスを開始. 毎年(3年間)10mm前後のIs型腺腫性ポリープを切除された. 54歳時に下行結腸に, 長径5mmの表面型病変を認めた. 既往歴:34歳時, 上行結腸癌で右半結腸切除. 51歳時, 前立腺癌で全摘出術. 家族歴(Fig. 1):家系図を示す. 大腸内視鏡所見(Fig. 2-a):下行結腸に, 長径5mmの表面型病変を認め, 頂部に約2mmのびらんを認めた. |
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ISSN: | 1348-9844 |