内視鏡的に摘出しえた柿胃石の1例
「はじめに」胃石は比較的稀な疾患であるが, 機械的刺激による胃潰瘍形成や小腸内落下による腸閉塞などの合併症をきたすため, 積極的な治療が望まれる. 今回我々は回収ネット(USE社, オリンパス)を用いて鶏卵大の柿胃石を内視鏡的に摘出しえた1例を経験した. 「症例」患者:80歳, 男性. 主訴:心窩部不快感, 嘔気, 下痢. 既往歴:74歳時, 胆石症に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術. 同年, 前立腺肥大症に対し恥骨後式前立腺摘除術. 家族歴:父親, 胃潰瘍. 現病歴:平成15年1月15日頃から心窩部不快感, 嘔気, 下痢が出現し, 同年1月22日当科を受診した. なお, 生来柿が大好物で11月頃から干...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2003/11/25, Vol.63(2), pp.68-69 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」胃石は比較的稀な疾患であるが, 機械的刺激による胃潰瘍形成や小腸内落下による腸閉塞などの合併症をきたすため, 積極的な治療が望まれる. 今回我々は回収ネット(USE社, オリンパス)を用いて鶏卵大の柿胃石を内視鏡的に摘出しえた1例を経験した. 「症例」患者:80歳, 男性. 主訴:心窩部不快感, 嘔気, 下痢. 既往歴:74歳時, 胆石症に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術. 同年, 前立腺肥大症に対し恥骨後式前立腺摘除術. 家族歴:父親, 胃潰瘍. 現病歴:平成15年1月15日頃から心窩部不快感, 嘔気, 下痢が出現し, 同年1月22日当科を受診した. なお, 生来柿が大好物で11月頃から干し柿をほとんど毎日食べていた. 上部消化管内視鏡検査所見(Color 1):胃体中部大彎に長径約5cm, 黄金色, 可動性のある胃内異物を認めた. また, 胃前庭部小彎にH1 stageの小さな潰瘍を2箇所認めた. 以上より胃石に胃潰瘍を合併したものと判断し, オリンパス社回収ネットを用い, 胃石を摘出した(Color 2). なお摘出の際, 胃石の長軸と食道の長軸とが一致するように注意し, 食道入口部付近で軽度の抵抗があったが粘膜を損傷することなく一期的に摘出することができた. 摘出標本:摘出した胃石は, 大きさ5×4×3cm, 重量7.72gで, 結石分析(赤外線吸収度分析)の結果, 成分はタンニン98%であり, 柿胃石と判明した. |
---|---|
ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.63.2_68 |