原発性硬化性胆管炎の限局性胆管狭窄に内視鏡的バルーン拡張術を行った1例

「はじめに」原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)は肝内外胆管に線維性狭窄をきたす慢性炎症性疾患で, 本邦での好発年齢は二峰性で男性に多い. 診断にはLaRussoらによる診断基準1)が広く用いられるが, 確立された治療法はない. 近年, ursodeoxycholic acid(UDCA)の投与2)や肝外胆管の狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術3)やステント挿入4)の有効性が報告されている. 限局性肝外胆管狭窄に内視鏡的バルーン拡張術が有効であったPSCの1例を経験したので報告する. 「症例」患者:59歳, 男性. 主訴:発熱, 右季肋部痛...

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Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2003/05/31, Vol.62(2), pp.144-145
Hauptverfasser: 柳川, 達郎, 今村, 綱男, 吉田, 仁, 小野, 仁志, 塙, 勝博, 三代川, 章雄, 小西, 一男, 野津, 史彦, 柴田, 実, 三田村, 圭二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)は肝内外胆管に線維性狭窄をきたす慢性炎症性疾患で, 本邦での好発年齢は二峰性で男性に多い. 診断にはLaRussoらによる診断基準1)が広く用いられるが, 確立された治療法はない. 近年, ursodeoxycholic acid(UDCA)の投与2)や肝外胆管の狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術3)やステント挿入4)の有効性が報告されている. 限局性肝外胆管狭窄に内視鏡的バルーン拡張術が有効であったPSCの1例を経験したので報告する. 「症例」患者:59歳, 男性. 主訴:発熱, 右季肋部痛. 既往歴:1988年から統合失調症. 現病歴:2000年より胆道系酵素の上昇を認め, 2001年3月当科を受診. 5月endoscopic retrograde cholangiopaucreatography(ERCP)による胆管所見と肝生検による細胆管の組織像からPSCと診断し, UDCA 600mg/日の経口投与を開始した. その後発熱, 右季肋部痛を伴い胆道感染が示唆され, 2002年3月に入院となった. 入院時現症:身長173cm, 体重45kg, 体温36.2℃, 眼球結膜に黄疸なし, 胸部・腹部に異常所見なし. 入院時検査成績(Table 1):ALP 1,366IU/l, IgG 2,000mg/dlと胆道系酵素とIgGの上昇を認めた. 総ビリルビンは正常, 肝炎ウィルス, 腫瘍マーカーは陰性であった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.62.2_144