経肛門的に自然排出された腹腔内異物の1例

「はじめに」手術時に遺残されたガーゼ等の腹腔内異物は通常炎症性肉芽腫を形成し, 腹膜炎やイレウスを惹起するため手術で摘出される事が多い. 今回我々は, 2年4ヵ月前の子宮癌手術時に用いられたマーレックスメッシュがS状結腸に穿通した後, 経肛門的に自然排出された極めて稀な1例を経験したので報告する. 「症例」患者:71歳, 女性. 主訴:下腹部痛. 既往歴:平成8年に本態性血小板血症, 高尿酸血症. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成12年1月11日, 子宮体部癌にて子宮全摘術及び両側付属器摘出術を施行された. 術後4月7日まで放射線治療を受けた(総線量45Gy)が, この頃より軟便がみ...

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Veröffentlicht in:Progress of Digestive Endoscopy 2003/05/31, Vol.62(2), pp.132-133
Hauptverfasser: 西中川, 秀太, 福澤, 誠克, 平出, 綾子, 沖津, 幹, 大場, 信之, 水口, 泰宏, 児島, 辰也, 吉田, 友彦, 竹田, 泰, 川口, 実
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」手術時に遺残されたガーゼ等の腹腔内異物は通常炎症性肉芽腫を形成し, 腹膜炎やイレウスを惹起するため手術で摘出される事が多い. 今回我々は, 2年4ヵ月前の子宮癌手術時に用いられたマーレックスメッシュがS状結腸に穿通した後, 経肛門的に自然排出された極めて稀な1例を経験したので報告する. 「症例」患者:71歳, 女性. 主訴:下腹部痛. 既往歴:平成8年に本態性血小板血症, 高尿酸血症. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成12年1月11日, 子宮体部癌にて子宮全摘術及び両側付属器摘出術を施行された. 術後4月7日まで放射線治療を受けた(総線量45Gy)が, この頃より軟便がみられた. 同年6月初旬から下腹部痛が出現し, 10月より下痢と便秘を繰り返すようになった. さらに平成14年2月より下腹部痛が増強してきたため同年3月入院した. 入院時現症:下腹部に圧痛を認める以外は異常なし. 入院時血液検査成績:以前より指摘されている血小板増多, 尿酸高値以外には軽度の貧血とCRPの上昇を認めるのみであった(Table 1). 注腸造影像(Fig. 1):平成13年6月の検査ではS状結腸の一部が強く屈曲しており術後の癒着性変化と考えられた. 今回入院後のガストログラフィンによる注腸造影像では, 癒着がみられた部位に壁の不整があり, 内腔に長方形の透亮像がみられた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.62.2_132