Double-balloon methodを用いた小腸内視鏡にて止血しえた悪性リンパ腫の1例
「はじめに」従来の小腸内視鏡では深部小腸への挿入はしばしば困難であり, 観察可能な範囲においても生検・処置はもとより自由な観察さえ困難なことも多かった. 今回我々は, double-balloon methodにより多発性小腸悪性リンパ腫と診断し, それに伴う深部小腸出血を内視鏡的に止血し得た症例を経験したので報告する. 「症例」患者:69歳, 女性. 主訴:タール便. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:2002年3月28日より左腸骨骨折にて近医に入院中であった. 5月23日よりタール便あり, またHb4.1g/dlと著明な貧血を認めたため, 消化管出血精査日的にて当科転院となっ...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2003/05/31, Vol.62(2), pp.104-105 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」従来の小腸内視鏡では深部小腸への挿入はしばしば困難であり, 観察可能な範囲においても生検・処置はもとより自由な観察さえ困難なことも多かった. 今回我々は, double-balloon methodにより多発性小腸悪性リンパ腫と診断し, それに伴う深部小腸出血を内視鏡的に止血し得た症例を経験したので報告する. 「症例」患者:69歳, 女性. 主訴:タール便. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:2002年3月28日より左腸骨骨折にて近医に入院中であった. 5月23日よりタール便あり, またHb4.1g/dlと著明な貧血を認めたため, 消化管出血精査日的にて当科転院となった. 入院時現症:身長154cm, 体重54kg, 血圧92/38mmHg, 脈拍118/分, 整. 体温36.9℃. 意識清明. 眼瞼結膜に著明な貧血を認めた. 胸部聴診上Levine 3/6の収縮期雑音を認めた他は, 表在リンパ節も触知せず, 特に異常所見は認めなかった. 入院時検査所見:白血球6,500/μl, 分画正常, 赤血球151万/μl, Hb 4.7g/dl, Plt 26.9万/μlと著明な貧血を認めた. 生化学所見では, LDH 3,098mU/ml, 可溶性IL-2 receptor 5,750U/mlと著明な上昇を認めていた. 来院時, 上部消化管内視鏡を施行したが, 特記すべき病変は認めなかった. タール便であることより上部空腸からの出血を疑い, 第6病日にdouble-balloon methodを用いた小腸内視鏡検査を施行した. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.62.2_104 |