内視鏡的静脈瘤結紮術単独で治療した十二指腸静脈瘤出血の1例―経過観察と問題点の分析
「はじめに」十二指腸静脈瘤は肝硬変などの門脈圧亢進症に合併する比較的稀な疾患である1). 破裂すると約40%が死亡するとされ, 食道胃静脈瘤に準じて各種治療法が試みられてきたが1)それらの有用性に関しては一定の見解は得られていない1,2). 我々は破裂した十二指腸静脈瘤に侵襲が最も少ないとされる内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)で治療し, 4ヵ月後に再出血をきたした症例を経験した. 本治療法の有用性に関する考案も加えて報告する. 「症例」患者:55歳, 女性. 主訴:タール便. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 焼酎を連日5合, 20年間にわたって飲酒. 現病歴:平成4年にアルコール性肝硬変...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2001/12/05, Vol.59(2), pp.94-95 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」十二指腸静脈瘤は肝硬変などの門脈圧亢進症に合併する比較的稀な疾患である1). 破裂すると約40%が死亡するとされ, 食道胃静脈瘤に準じて各種治療法が試みられてきたが1)それらの有用性に関しては一定の見解は得られていない1,2). 我々は破裂した十二指腸静脈瘤に侵襲が最も少ないとされる内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)で治療し, 4ヵ月後に再出血をきたした症例を経験した. 本治療法の有用性に関する考案も加えて報告する. 「症例」患者:55歳, 女性. 主訴:タール便. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 焼酎を連日5合, 20年間にわたって飲酒. 現病歴:平成4年にアルコール性肝硬変と診断されたが飲酒は続けていた. 平成12年10月12日よりタール便を認め消化管出血を疑われ近医に入院. 上部, 下部内視鏡, 小腸造影, 腹部CTでは出血源は不明であった. その後もタール便は持続, 同年11月6日に出血性ショックを呈し, 同日, 当院に転送された. 入院時現症:血圧60mmHg, 脈拍100/分. 眼瞼結膜に貧血あり, 眼球結膜に黄染なし. 腹部に圧痛なく, 肝を右季肋下2横指触知した. 入院時血液検査所見:Hb 4.0g/dl. 血清Alb 1.9g/dl, 肝予備能はchild-Pugh Bの状態. HBs抗原, HCV抗体共に陰性. 入院後経過:上部内視鏡検査ではF1CwRC(-)の食道静脈瘤を認めたが, 胃内に凝血塊はなく出血源とは考えられなかった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.59.2_94 |