多発性肝膿瘍を合併した大腸憩室炎の1例
「はじめに」肝膿瘍は憩室炎の稀な合併症の1つとされており, 報告例も少ない. 今回我々は下行結腸憩室炎の観察中に多発性肝膿瘍を合併した1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:68歳, 男性. 現病歴:2000年3月下旬より左下腹部痛出現. 4月, 精査にて下行結腸憩室炎と診断されたが症状安定しており経過観察となる. 5月16日, 右季肋部痛, 38.0度の発熱にて救急外来受診, 精査加療目的にて入院となる. 入院時検査所見:白血球17,300/mm3, CRP>15.Omg/dLと著明な炎症反応およびGOT 89IU/L, GPT 70IU/L, ALP 446IU...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2001/06/15, Vol.58(2), pp.126-127 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」肝膿瘍は憩室炎の稀な合併症の1つとされており, 報告例も少ない. 今回我々は下行結腸憩室炎の観察中に多発性肝膿瘍を合併した1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:68歳, 男性. 現病歴:2000年3月下旬より左下腹部痛出現. 4月, 精査にて下行結腸憩室炎と診断されたが症状安定しており経過観察となる. 5月16日, 右季肋部痛, 38.0度の発熱にて救急外来受診, 精査加療目的にて入院となる. 入院時検査所見:白血球17,300/mm3, CRP>15.Omg/dLと著明な炎症反応およびGOT 89IU/L, GPT 70IU/L, ALP 446IU/Lと肝胆道系酵素上昇を認めた. 腹部単純X線検査:特記すべき所見なし. 門脈内ガス像は認めず. 腹部超音波検査:全肝に径10~20mm大の多発低エコー領域を認めた. 腹部dynamic CT検査:肝腫瘤はリング状の濃染を呈した. また, 下行結腸に径50mm大の腫瘤像を認めた(Fig.1, 2). 注腸造影検査:下行結腸にthumb printing signを認めた(Fig.3). 大腸内視鏡検査:下行結腸腫瘤部に一致し粘膜浮腫, 発赤を認め, 炎症性に内腔は狭小化していた. 生検でも悪性所見は認めなかった(Color 1). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.58.2_126 |