生検標本上多数の菌体が認められた腸結核の1例
「はじめに」腸結核において生検組織上菌体が確認されることはまれとされる1,2). 今回, 生検標本で多数の菌体が認められ, また粟粒結核の血行性転移が疑われた腸結核の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:49歳, 男性. 主訴:下痢, 下腹部痛. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成11年12月下旬より下痢が出現し漸次増悪, 平成12年1月上旬からは1日7~8行となり排便前の下腹部痛も伴うようになってきたため, 同月中旬当科を受診した. 来院時現症:体格中等度, 栄養状態良. 微熱があり, 右側腹部に圧痛を認めた. 胸部では特に異常所見はみられなかった. 来院時検査成績(...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2001/06/15, Vol.58(2), pp.120-121 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」腸結核において生検組織上菌体が確認されることはまれとされる1,2). 今回, 生検標本で多数の菌体が認められ, また粟粒結核の血行性転移が疑われた腸結核の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:49歳, 男性. 主訴:下痢, 下腹部痛. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成11年12月下旬より下痢が出現し漸次増悪, 平成12年1月上旬からは1日7~8行となり排便前の下腹部痛も伴うようになってきたため, 同月中旬当科を受診した. 来院時現症:体格中等度, 栄養状態良. 微熱があり, 右側腹部に圧痛を認めた. 胸部では特に異常所見はみられなかった. 来院時検査成績(Table 1):Hb 12.7g/dlとやや貧血があり, CRP 7.1mg/dl, 血沈が1時間値77mmと炎症所見が認められた. 便検査では一般細菌培養で有意な所見はなく, 潜血反応が陽性であった. 腹部CT所見(Fig.1):右側結腸の壁の全周性の肥厚が認められ, クローン病を疑った. 大腸内視鏡所見:直腸から横行結腸に異常はみられなかったが, 上行結腸遠位に中心にびらんを伴う小隆起が散在し, 中部から盲腸にかけて粘膜は浮腫状でびらんが多発, haustraは腫張し内腔は狭小化していた(Color 1-a). Bauhin弁の変形, 破壊はみられず(Color 1-b), 回腸末端の粘膜も浮腫状であった. 内視鏡所見からは腸結核とクローン病を疑った. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.58.2_120 |