症例血便をきたした腸チフスの1例
「はじめに」今回, 我々は血便を契機に受診した腸チフスにおいて, 内視鏡検査が有用であったので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:54歳, 男性. 主訴:血便. 既往歴:18歳時痔瘻. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:2000年3月24日より2日間, 韓国を旅行した. 同年4月10日頃より感冒様症状が出現し, 15日より38℃台の発熱を認めたため近医を受診し, 感冒の診断を受けた. 薬剤服用にもかかわらず症状は改善せず, 19日より下痢, 血便がみられたため翌日当院を受診した. 来院時現症:血圧120/80mmHg. 脈拍90/分. 体温38.5℃と高熱を認めるほかに理学的に異...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2001, Vol.58 (2), p.118-120 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」今回, 我々は血便を契機に受診した腸チフスにおいて, 内視鏡検査が有用であったので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:54歳, 男性. 主訴:血便. 既往歴:18歳時痔瘻. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:2000年3月24日より2日間, 韓国を旅行した. 同年4月10日頃より感冒様症状が出現し, 15日より38℃台の発熱を認めたため近医を受診し, 感冒の診断を受けた. 薬剤服用にもかかわらず症状は改善せず, 19日より下痢, 血便がみられたため翌日当院を受診した. 来院時現症:血圧120/80mmHg. 脈拍90/分. 体温38.5℃と高熱を認めるほかに理学的に異常所見はみられなかった. 来院時検査所見:LDH 1,166U/L, ALP 420U/L, CK 284U/L, CRP 0.8mg/dlと高値を示した. 大腸内視鏡検査:来院時に施行された大腸内視鏡検査では, 回腸終末部に周辺粘膜が浮腫状に盛り上がる卵円形の下掘れ潰瘍が認められた(Color 1). さらに口側では同様の潰瘍や不整形潰瘍(Color 2)が多発していたが, その配列に規則性はなかった. 回腸終末部の多発潰瘍の1つに露出血管がみられ, クリッピングを施行後に周辺粘膜にHSEを局注し, 同日入院となった. 入院経過:禁食, 補液, 安静としたが, 入院後も40℃前後の高熱が断続的にみられたため, 内視鏡所見と併せ腸炎に起因する敗血症を疑い, 抗生剤点滴投与を開始した. |
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ISSN: | 1348-9844 |