早期Barrett腺癌の1例
「はじめに」今回, われわれは本邦では比較的稀な早期Barrett腺癌の1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:83歳, 女性. 主訴:なし. 家族歴, 既往歴, 嗜好品:特記事項なし. 現病歴:Barrett食道として平成10年より近医で経過観察されていた. 平成12年6月の上部消化管内視鏡検査で, 中部から下部食道にかけ小発赤と粗大顆粒状の凹凸を示す部位を認め, 生検により腺癌と診断されたため精査, 加療を目的に入院となった. 入院時現症:貧血, 黄疸なし. 表在リンパ節は触知せず. 胸腹部聴打診上特記所見なし. 入院時検査所見(Table 1):腫瘍マーカーを含め...
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Veröffentlicht in: | Progress of Digestive Endoscopy 2001/06/15, Vol.58(2), pp.70-71 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」今回, われわれは本邦では比較的稀な早期Barrett腺癌の1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:83歳, 女性. 主訴:なし. 家族歴, 既往歴, 嗜好品:特記事項なし. 現病歴:Barrett食道として平成10年より近医で経過観察されていた. 平成12年6月の上部消化管内視鏡検査で, 中部から下部食道にかけ小発赤と粗大顆粒状の凹凸を示す部位を認め, 生検により腺癌と診断されたため精査, 加療を目的に入院となった. 入院時現症:貧血, 黄疸なし. 表在リンパ節は触知せず. 胸腹部聴打診上特記所見なし. 入院時検査所見(Table 1):腫瘍マーカーを含め異常値を認めず. 上部消化管内視鏡検査所見(Color 1):切歯より24cmの部位より縦走血管網を有する円柱上皮を全周性に約7cmにわたり認め, 27cmの部位右側壁にやや陥凹した径3mmの小発赤を認めた. さらに切歯より28cmの部位に左側壁から後壁にかけ約1/3周にわたり粗大顆粒状の凹凸を示す部位を認めた. それぞれより生検を行い高分化型腺癌の診断を得た. 病変範囲, 及び隆起形態よりsm以深への浸潤を疑った. 術式として, 経食道裂孔的に縦隔鏡補助下にて食道切除術ならびにリンパ節郭清を行い, 胃管を後縦隔経路で挙上し, 頸部にて食道胃管吻合術を施行した. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.58.2_70 |