十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除術

2021年に日本消化器内視鏡学会と日本胆道学会から内視鏡的乳頭切除術(EP)診療ガイドラインが発行された.また,同年European Society of Gastrointestinal Endoscopyからもガイドラインが発行された.両者によりEPの適応,短期・長期成績などがまとめられた.管腔内進展をともなわない乳頭部腺腫に対するEPは良好な治療成績が報告されており適応とすることに異存はないと考えられる.膵管ステント留置(術後膵炎)やクリッピング(術後出血)による有害事象削減努力もなされているが,まだ有害事象の頻度は高いのが現状である.7~23%と比較的高い再発率も報告されており長期間の...

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Veröffentlicht in:胆道 2023/05/31, Vol.37(2), pp.194-202
Hauptverfasser: 川嶋, 啓揮, 大野, 栄三郎, 石川, 卓哉, 山雄, 健太郎, 水谷, 泰之, 飯田, 忠
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:2021年に日本消化器内視鏡学会と日本胆道学会から内視鏡的乳頭切除術(EP)診療ガイドラインが発行された.また,同年European Society of Gastrointestinal Endoscopyからもガイドラインが発行された.両者によりEPの適応,短期・長期成績などがまとめられた.管腔内進展をともなわない乳頭部腺腫に対するEPは良好な治療成績が報告されており適応とすることに異存はないと考えられる.膵管ステント留置(術後膵炎)やクリッピング(術後出血)による有害事象削減努力もなされているが,まだ有害事象の頻度は高いのが現状である.7~23%と比較的高い再発率も報告されており長期間の経過観察も必要である.さらに腺腫内癌例,水平進展例や管腔内進展例の治療方針など解決すべき課題も多い.今回は,ガイドラインの内容を中心に最近の報告の内容も追加してEPの現状と課題について総説する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.37.194