胆嚢及び膵臓に形質細胞腫を伴った多発性骨髄腫の1例
症例は84歳男性.腰痛と食欲不振を契機に,高カルシウム血症,腎不全,高蛋白血症が明らかとなり,骨髄穿刺などを経て多発性骨髄腫と診断された.造影CTで,胆嚢頚部に僅かに造影される不整形腫瘤を認めた.また,同様の造影効果を示す類円形腫瘤を膵尾部,右胸腔,腹腔にそれぞれ認めた.超音波内視鏡では,胆嚢病変は高低エコーが混在した不整形腫瘤として,膵尾部病変は無エコーと低エコーが混在した類円形腫瘤としてそれぞれ描出された.両病変に対して行った超音波内視鏡下穿刺吸引法で,いずれの検体からも異型を伴う形質細胞が認められ,共に形質細胞腫と最終診断した.1次治療のMPB療法は奏効せず,胆嚢腫瘤増大に伴う閉塞性黄疸...
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Veröffentlicht in: | 胆道 2023/03/31, Vol.37(1), pp.83-90 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は84歳男性.腰痛と食欲不振を契機に,高カルシウム血症,腎不全,高蛋白血症が明らかとなり,骨髄穿刺などを経て多発性骨髄腫と診断された.造影CTで,胆嚢頚部に僅かに造影される不整形腫瘤を認めた.また,同様の造影効果を示す類円形腫瘤を膵尾部,右胸腔,腹腔にそれぞれ認めた.超音波内視鏡では,胆嚢病変は高低エコーが混在した不整形腫瘤として,膵尾部病変は無エコーと低エコーが混在した類円形腫瘤としてそれぞれ描出された.両病変に対して行った超音波内視鏡下穿刺吸引法で,いずれの検体からも異型を伴う形質細胞が認められ,共に形質細胞腫と最終診断した.1次治療のMPB療法は奏効せず,胆嚢腫瘤増大に伴う閉塞性黄疸を発症した.しかし,胆管ステンティング後に開始された2次治療のLd療法では,M蛋白の減少や高カルシウム血症の改善と共に胆嚢病変と膵尾部病変の縮小も認められ,臨床経過も形質細胞腫として矛盾しなかった. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.37.83 |