IPNBの病理学的特徴

IPNB(胆管内乳頭状腫瘍)とは拡張胆管内に肉眼的に同定される規模で認められる乳頭状腫瘍性病変をさす.顕微鏡的に,狭い線維性血管芯を伴う上皮の乳頭状増殖を主体とし,時に管状成分も混在する.種々の異型度を呈し,軽度異型,高度異型に分けられ,高度異型は上皮内癌と同等となる.胆管内を越えて浸潤を示す例は浸潤性胆管内乳頭状腫瘍と呼ばれる.浸潤部は管状腺癌や粘液癌の形態を示すことが多い.腫瘍性乳頭の病理組織学的形質により,胃型,腸型,膵胆型,オンコサイト型に分けられる.IPNBは日韓合同研究により,細線維血管芯を持ち,よく発達した乳頭状を呈する1型と比較的不整な乳頭状構造を示す2型に分けられ,その臨床病...

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Veröffentlicht in:胆道 2022/05/31, Vol.36(2), pp.91-97
1. Verfasser: 古川, 徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:IPNB(胆管内乳頭状腫瘍)とは拡張胆管内に肉眼的に同定される規模で認められる乳頭状腫瘍性病変をさす.顕微鏡的に,狭い線維性血管芯を伴う上皮の乳頭状増殖を主体とし,時に管状成分も混在する.種々の異型度を呈し,軽度異型,高度異型に分けられ,高度異型は上皮内癌と同等となる.胆管内を越えて浸潤を示す例は浸潤性胆管内乳頭状腫瘍と呼ばれる.浸潤部は管状腺癌や粘液癌の形態を示すことが多い.腫瘍性乳頭の病理組織学的形質により,胃型,腸型,膵胆型,オンコサイト型に分けられる.IPNBは日韓合同研究により,細線維血管芯を持ち,よく発達した乳頭状を呈する1型と比較的不整な乳頭状構造を示す2型に分けられ,その臨床病理学的・分子病理学的特徴が明らかにされた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.36.91