姉弟に発生した三管合流部領域の胆道癌の2例

姉は71歳時に腹痛を主訴に受診した.急性胆嚢炎と診断し開腹胆嚢摘出術を行った.摘出した胆嚢において,胆嚢管の硬結は結石ではなく,腫瘤であった.腫瘤の術中迅速凍結病理診断にて低分化腺癌と診断し,肝外胆管切除,リンパ節郭清を追加した.14歳年下の弟は73歳時に腹痛を主訴に受診した.CTで胆嚢管から総胆管にかけて造影効果を伴う腫瘤を認めた.亜全胃温存膵頭十二指腸切除を行い,最終病理診断は胆嚢管原発の乳頭腺癌であった.姉弟には悪性腫瘍の家族歴や印刷業勤務歴はなかった.稀な胆道癌の同胞内発症例であるが,家族内集積とする因子の同定には至らなかった....

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Veröffentlicht in:胆道 2020/10/31, Vol.34(4), pp.718-724
Hauptverfasser: 上村, 将夫, 長峯, 理子, 浦田, 孝広, 横溝, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:姉は71歳時に腹痛を主訴に受診した.急性胆嚢炎と診断し開腹胆嚢摘出術を行った.摘出した胆嚢において,胆嚢管の硬結は結石ではなく,腫瘤であった.腫瘤の術中迅速凍結病理診断にて低分化腺癌と診断し,肝外胆管切除,リンパ節郭清を追加した.14歳年下の弟は73歳時に腹痛を主訴に受診した.CTで胆嚢管から総胆管にかけて造影効果を伴う腫瘤を認めた.亜全胃温存膵頭十二指腸切除を行い,最終病理診断は胆嚢管原発の乳頭腺癌であった.姉弟には悪性腫瘍の家族歴や印刷業勤務歴はなかった.稀な胆道癌の同胞内発症例であるが,家族内集積とする因子の同定には至らなかった.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.34.718