肝左葉内から肝門部胆管にかけて胆管内腫瘍栓が充満していた大腸癌同時性肝転移の1切除例

症例は60歳代男性.腹痛を主訴に当院受診し,胆管炎,閉塞性黄疸の診断で入院した.CTで,ほぼ肝左葉全体を占拠するような境界不明瞭な腫瘤と肝門部胆管内に充実成分をみとめた.直接胆道鏡で肝門部胆管に腫瘤があり,左肝管は確認できなかった.生検で腺癌であった.また,全大腸内視鏡検査で下行結腸に2型病変を認め,生検で腺癌であった.肝病変は境界が不明瞭であり,大腸癌の肝転移よりは,肝内胆管癌と診断した.治療は,左半結腸切除,拡大左肝切除,尾状葉切除,肝外胆管切除再建,を行った.切除標本割面像では,肝左葉の胆管内全体に充満する腫瘍栓をみとめ,肝門部胆管に突出していた.病理組織所見は大腸癌病変と類似しており,...

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Veröffentlicht in:胆道 2020/05/31, Vol.34(2), pp.214-222
Hauptverfasser: 鹿股, 宏之, 高橋, 正人, 津田, 栄彦, 佐々木, 俊樹, 宮内, 隼弥
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は60歳代男性.腹痛を主訴に当院受診し,胆管炎,閉塞性黄疸の診断で入院した.CTで,ほぼ肝左葉全体を占拠するような境界不明瞭な腫瘤と肝門部胆管内に充実成分をみとめた.直接胆道鏡で肝門部胆管に腫瘤があり,左肝管は確認できなかった.生検で腺癌であった.また,全大腸内視鏡検査で下行結腸に2型病変を認め,生検で腺癌であった.肝病変は境界が不明瞭であり,大腸癌の肝転移よりは,肝内胆管癌と診断した.治療は,左半結腸切除,拡大左肝切除,尾状葉切除,肝外胆管切除再建,を行った.切除標本割面像では,肝左葉の胆管内全体に充満する腫瘍栓をみとめ,肝門部胆管に突出していた.病理組織所見は大腸癌病変と類似しており,免疫染色でCK-7陰性,CK-20陽性,CDX2陽性であり,大腸癌の肝転移と診断した.現在,術後7カ月が経過し,無再発で外来化学療法中(XELOX療法)である.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.34.214