胆嚢癌との鑑別が困難な画像所見を呈した胆嚢線維性ポリープの1例
症例は70歳代,女性.抗GAD抗体陽性小脳失調症と診断され,治療を開始した.症状の改善に乏しく腫瘍随伴性の可能性を考慮し施行した単純CTで,胆嚢内に石灰化を伴う隆起性病変を認めた.腹部USでは胆嚢底部に17mm大・低エコーの隆起性病変を認め,EUSでは病変の表面は高エコーで覆われ,胆嚢壁外側高エコーの一部は途絶していた.造影CTで漸増性の造影効果を呈し,肝床面で胆嚢壁の引き攣れを認めた.以上の所見から肝床浸潤を伴う胆嚢癌と診断し胆嚢摘出及び肝床部分切除術を施行した.病理組織所見では,病変の表面は正常な胆嚢上皮で被われ,内部には筋・血管・神経組織の増生と肝実質に及ぶ線維化を認め,胆嚢線維性ポリー...
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Veröffentlicht in: | 胆道 2019/12/31, Vol.33(5), pp.854-861 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は70歳代,女性.抗GAD抗体陽性小脳失調症と診断され,治療を開始した.症状の改善に乏しく腫瘍随伴性の可能性を考慮し施行した単純CTで,胆嚢内に石灰化を伴う隆起性病変を認めた.腹部USでは胆嚢底部に17mm大・低エコーの隆起性病変を認め,EUSでは病変の表面は高エコーで覆われ,胆嚢壁外側高エコーの一部は途絶していた.造影CTで漸増性の造影効果を呈し,肝床面で胆嚢壁の引き攣れを認めた.以上の所見から肝床浸潤を伴う胆嚢癌と診断し胆嚢摘出及び肝床部分切除術を施行した.病理組織所見では,病変の表面は正常な胆嚢上皮で被われ,内部には筋・血管・神経組織の増生と肝実質に及ぶ線維化を認め,胆嚢線維性ポリープと診断した.胆嚢線維性ポリープは術後に診断されることが多いが,術前に胆嚢癌との鑑別が可能であった報告もある.本例の画像所見を後方視的に検討し,若干の考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.33.854 |