黒色色素胆石例における背景因子の検討
化学成分分析により「黒色色素石」と確定された46例において,結石生成に関わる背景因子につき検討を加えた.腺筋腫症の併存を69.6%に認め,そのうち94%は分節型の腺筋腫症であり,胆嚢のくびれの存在による胆汁鬱滞の関連が推測された.分節型腺筋腫症を併存しない例においては,背景因子として従来言われていた心人工弁置換術後,胃全摘後,慢性肝炎,十二指腸狭窄,IBS以外に,胆嚢ポリープ合併と虫垂炎手術既往の項目が背景因子として挙げられる結果を得た.最近注目されている黒色石と腸肝循環との関連から見ても興味ある結果と考えられた.全身的な背景因子については関連を疑う結果は得られなかった.黒色色素石をさらに含有...
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Veröffentlicht in: | 胆道 2018/10/31, Vol.32(4), pp.715-724 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 化学成分分析により「黒色色素石」と確定された46例において,結石生成に関わる背景因子につき検討を加えた.腺筋腫症の併存を69.6%に認め,そのうち94%は分節型の腺筋腫症であり,胆嚢のくびれの存在による胆汁鬱滞の関連が推測された.分節型腺筋腫症を併存しない例においては,背景因子として従来言われていた心人工弁置換術後,胃全摘後,慢性肝炎,十二指腸狭窄,IBS以外に,胆嚢ポリープ合併と虫垂炎手術既往の項目が背景因子として挙げられる結果を得た.最近注目されている黒色石と腸肝循環との関連から見ても興味ある結果と考えられた.全身的な背景因子については関連を疑う結果は得られなかった.黒色色素石をさらに含有成分別に検討を加えると,炭酸カルシウム含有例は黒色色素単一例,リン酸カルシウム含有例とは異なった生成機序の可能性が考えられた. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.32.715 |