胆嚢癌術後14年目に胆管癌を発症した胆管非拡張型膵・胆管合流異常の1例

胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症に分流手術を付加するか否かについては一定した見解が得られていない.症例は74歳男性.2000年3月,早期胆嚢癌に対して胆嚢摘出術を施行.再発なく経過していたが,2014年2月から心窩部痛が出現.精査の結果,胆管非拡張型膵・胆管合流異常症を伴う中部胆管癌の診断となり,膵頭十二指腸切除術を施行した.胆嚢摘出術後に胆管癌を発症した胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症の本邦報告例は,自験例を含めて12例であった.胆嚢病変が良性であった5例と悪性(胆嚢癌)であった7例に分けて胆嚢摘出から胆管癌を発症するまでの期間を比較すると,良性例では平均19.5年,悪性例では平均5.4年で...

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Veröffentlicht in:胆道 2018/05/31, Vol.32(2), pp.263-269
Hauptverfasser: 梶, 俊介, 川畑, 康成, 石川, 典由, 田島, 義証
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症に分流手術を付加するか否かについては一定した見解が得られていない.症例は74歳男性.2000年3月,早期胆嚢癌に対して胆嚢摘出術を施行.再発なく経過していたが,2014年2月から心窩部痛が出現.精査の結果,胆管非拡張型膵・胆管合流異常症を伴う中部胆管癌の診断となり,膵頭十二指腸切除術を施行した.胆嚢摘出術後に胆管癌を発症した胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症の本邦報告例は,自験例を含めて12例であった.胆嚢病変が良性であった5例と悪性(胆嚢癌)であった7例に分けて胆嚢摘出から胆管癌を発症するまでの期間を比較すると,良性例では平均19.5年,悪性例では平均5.4年であり,悪性例で期間が短かった.【結語】胆嚢癌を契機にみつかった胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症例に胆管を温存する術式を選択した場合,異時性胆管癌の発生を念頭に置いた長期的な経過観察が必要と思われた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.32.263