胆嚢腺筋腫症を背景に発生し,胆嚢癌の鑑別に有用と考えられる画像的特徴を有した非腫瘍性胆嚢隆起性病変の2例

症例1は78歳,男性.症例2は66歳,男性.症例1は大腸癌術後の経過観察中に,症例2は早期胃癌術前検査中に,いずれも造影CTで胆嚢に造影効果を伴う隆起性病変が認められた.MRI-T1強調画像で病変が低信号を呈さないこと,MRI-T2強調画像で病変内高信号スポットが存在すること,EUSで病変基部に小嚢胞を含む壁肥厚を認めること,造影CTでmucosal line,超音波検査でinnermost hyperechoic layerと表現される胆嚢壁の内腔側の層構造に断裂がなく連続性を認めること,の4項目が2症例に共通した画像所見として認められた.2例とも胆嚢癌との鑑別が困難であったため手術が行われ...

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Veröffentlicht in:胆道 2017/03/31, Vol.31(1), pp.102-110
Hauptverfasser: 菊山, 正隆, 榎田, 浩平, 白根, 尚文, 青山, 春奈, 金本, 秀行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例1は78歳,男性.症例2は66歳,男性.症例1は大腸癌術後の経過観察中に,症例2は早期胃癌術前検査中に,いずれも造影CTで胆嚢に造影効果を伴う隆起性病変が認められた.MRI-T1強調画像で病変が低信号を呈さないこと,MRI-T2強調画像で病変内高信号スポットが存在すること,EUSで病変基部に小嚢胞を含む壁肥厚を認めること,造影CTでmucosal line,超音波検査でinnermost hyperechoic layerと表現される胆嚢壁の内腔側の層構造に断裂がなく連続性を認めること,の4項目が2症例に共通した画像所見として認められた.2例とも胆嚢癌との鑑別が困難であったため手術が行われ,いずれも病理組織学的に胆嚢腺筋腫症を背景に発生しており,症例1は結石を中心として高度炎症細胞浸潤,症例2は線維増生および筋線維の介在を認めた.今回認められた画像的特徴は,胆嚢隆起性病変の鑑別において,非腫瘍を示唆する所見の可能性がある.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.31.102