7年間の経過で形態が変化した胆嚢線維性ポリープの1例

症例は60歳,男性.検診で胆嚢腫瘍を指摘され,精査目的に当科に紹介となった.腹部超音波検査で胆嚢底部に有茎性ポリープと胆嚢壁の肥厚を認め,コレステロールポリープ,コレステローシスと診断し,外来で経過観察していた.経過中,ポリープの増大傾向と形態変化がみられたため,精査を行った.各種画像検査により,腺腫あるいは腺種内癌を否定できないことから,初診から7年目に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.マクロ写真では,胆嚢底部に淡黄色調の有茎性ポリープを認め,背景粘膜に散在性にコレステローシスを認めた.病理組織学的には,一層の異型に乏しい上皮に被覆された腫瘍であり,粘膜固有層は少数の泡沫細胞の集簇と粘液浮腫状の...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:胆道 2016/10/31, Vol.30(4), pp.723-730
Hauptverfasser: 久保, 公利, 河上, 洋, 久保田, 良政, 川畑, 修平, 川久保, 和道, 桒谷, 将城, 上野, 峰, 三橋, 智子, 坂本, 直哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:症例は60歳,男性.検診で胆嚢腫瘍を指摘され,精査目的に当科に紹介となった.腹部超音波検査で胆嚢底部に有茎性ポリープと胆嚢壁の肥厚を認め,コレステロールポリープ,コレステローシスと診断し,外来で経過観察していた.経過中,ポリープの増大傾向と形態変化がみられたため,精査を行った.各種画像検査により,腺腫あるいは腺種内癌を否定できないことから,初診から7年目に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.マクロ写真では,胆嚢底部に淡黄色調の有茎性ポリープを認め,背景粘膜に散在性にコレステローシスを認めた.病理組織学的には,一層の異型に乏しい上皮に被覆された腫瘍であり,粘膜固有層は少数の泡沫細胞の集簇と粘液浮腫状の間質で構成されており,胆嚢線維性ポリープと診断した.コレステロールポリープから変化したと推定された胆嚢線維性ポリープの報告は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.30.723