磁石圧迫吻合術(山内法)が有効であった肝管空腸縫合不全の1例

[要旨]: 磁石圧迫吻合術は強力な磁石を腸管や胆管の内腔へ留置し, 吸着させて吻合を形成する手技である. 拡大肝左葉切除後に生じた肝管空腸吻合部の縫合不全に対して, 磁石圧迫吻合術で吻合を形成した一例を経験したので報告する. 症例は60歳代男性. 肝門部胆管癌で拡大肝左葉切除と肝外胆管切除を施行した. 右肝管は前枝と後枝の分枝部まで切除し, 前区域枝のB5, B8と後区域枝を空腸に吻合し再建した. 術後に腹腔内膿瘍が出現し, ドレナージしたところ, B5の縫合不全が判明した. 術後55日に磁石圧迫吻合法を施行した. まずB5にPTBDを行い, 直径4mmの磁石をB5胆管内に留置した. 次に,...

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Veröffentlicht in:胆道 2014-03, Vol.28 (1), p.115-119
Hauptverfasser: 浦上淳, 山内栄五郎, 吉田浩司, 河瀬智哉, 窪田寿子, 角田司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[要旨]: 磁石圧迫吻合術は強力な磁石を腸管や胆管の内腔へ留置し, 吸着させて吻合を形成する手技である. 拡大肝左葉切除後に生じた肝管空腸吻合部の縫合不全に対して, 磁石圧迫吻合術で吻合を形成した一例を経験したので報告する. 症例は60歳代男性. 肝門部胆管癌で拡大肝左葉切除と肝外胆管切除を施行した. 右肝管は前枝と後枝の分枝部まで切除し, 前区域枝のB5, B8と後区域枝を空腸に吻合し再建した. 術後に腹腔内膿瘍が出現し, ドレナージしたところ, B5の縫合不全が判明した. 術後55日に磁石圧迫吻合法を施行した. まずB5にPTBDを行い, 直径4mmの磁石をB5胆管内に留置した. 次に, 空腸脚の瘻孔からもう一つの磁石を挿入し, 胆管内の磁石と腸管内の磁石を吸着させた. 吸着から6日目に空腸脚の瘻孔から両方の磁石を回収した B5胆管と空腸の吻合部には10Frのチューブを約3カ月間留置した. 6カ月後の時点では吻合部狭窄や胆管炎は認めなかった.
ISSN:0914-0077