背景肝に胆管過誤腫を併存した胆管内乳頭状腫瘍の1例

要旨:胆管内乳頭状腫瘍(Intraductal papillary neoplasm of the bile duct;IPN-B)は,かつての胆管乳頭腫/胆管乳頭腫症(biliary papilloma/biliary papillomatosis)が含まれ,拡張した肝内胆管内に乳頭状もしくは絨毛状の上皮性腫瘍の増殖を認めることが基準となっている1)2). 症例は60歳代の女性.腹部US,CT検査では肝S4に径66 mmの単房性嚢胞があり,その内部には径36 mmの乳頭状結節を認めた.ERCでは,嚢胞と肝内胆管は交通していた.以上よりIPN-Bと診断し肝左葉切除術を施行した.切除標本では嚢胞...

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Veröffentlicht in:胆道 2013, Vol.27(1), pp.100-106
Hauptverfasser: 川本, 研一郎, 植木, 敏晴, 大塚, 雄一郎, 簑田, 竜平, 野間, 栄次郎, 光安, 智子, 三上, 公治, 前川, 隆文, 田邉, 寛, 岩下, 明徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨:胆管内乳頭状腫瘍(Intraductal papillary neoplasm of the bile duct;IPN-B)は,かつての胆管乳頭腫/胆管乳頭腫症(biliary papilloma/biliary papillomatosis)が含まれ,拡張した肝内胆管内に乳頭状もしくは絨毛状の上皮性腫瘍の増殖を認めることが基準となっている1)2). 症例は60歳代の女性.腹部US,CT検査では肝S4に径66 mmの単房性嚢胞があり,その内部には径36 mmの乳頭状結節を認めた.ERCでは,嚢胞と肝内胆管は交通していた.以上よりIPN-Bと診断し肝左葉切除術を施行した.切除標本では嚢胞内に乳頭状に増殖する隆起を認めた.隆起部は類円形核と好酸性な細胞質をもつ異型上皮から成り間質浸潤や卵巣様間質はなかった.背景肝に多発する小肝嚢胞を認めたが,組織学的には増生した腺管と間質の線維化がみられるbiliary hamartomaでありIPN-Bとの関連はなかった.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.27.100