Lysophosphatidylcholineによるヒト胆管上皮癌細胞株でのアポトーシス誘導機構
要旨:脂質メディエーターとして注目されるlysophosphatidylcholine(LPC)は,様々な細胞に対しアポトーシスを誘導することが報告されている.一方,胆道癌を高率に合併する膵胆管合流異常症や肝内結石症において,胆汁中LPC濃度が高いことが報告されている.今回我々は,胆管上皮癌細胞株HuCCT-1を用いLPCの影響について検討を行った.LPCはHuCCT-1のアポトーシスを誘導し細胞障害作用を認めた.形態学的な検討でも,LPCの添加でアポトーシスに特有な変化を認めた.さらに,アポトーシス伝達経路においてFas受容体の発現上昇とcaspase-3,8,9の有意な活性化を認めた.LP...
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Veröffentlicht in: | 胆道 2011, Vol.25(4), pp.637-644 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨:脂質メディエーターとして注目されるlysophosphatidylcholine(LPC)は,様々な細胞に対しアポトーシスを誘導することが報告されている.一方,胆道癌を高率に合併する膵胆管合流異常症や肝内結石症において,胆汁中LPC濃度が高いことが報告されている.今回我々は,胆管上皮癌細胞株HuCCT-1を用いLPCの影響について検討を行った.LPCはHuCCT-1のアポトーシスを誘導し細胞障害作用を認めた.形態学的な検討でも,LPCの添加でアポトーシスに特有な変化を認めた.さらに,アポトーシス伝達経路においてFas受容体の発現上昇とcaspase-3,8,9の有意な活性化を認めた.LPC関連受容体であるG蛋白共役型受容体G2Aの発現がLPCの添加で有意に誘導され,その関与が推測された.以上より,胆汁中LPCの上昇は胆管上皮障害に関与し,発癌機構に関与している可能性が考えられた. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.25.637 |