マルチスライスCTによる十二指腸乳頭部近傍領域の診断
「要旨」:十二指腸乳頭部近傍領域のCT診断においては1.25mm以下の検出器厚による多相造影検査と2-3mm厚の水平断と高分解能のmultiplanar reformatted imagesの作成が重要である. これらの画像は, 主膵管, 膵内胆管, 膵頭十二指腸動脈などの細かな解剖学的構造の描出を可能とする. また, 膵実質相において膵頭部と十二指腸の間に造影効果の低下した領域が描出され, この領域は膵胆管をOddi括約筋が取り巻いている領域に相当すると推定される. 膵胆管拡張の原因検索のためCT検査が施行された乳頭部腫瘍の症例において, CTの果たすべき最も重要な役割は膵癌や胆管癌などの他...
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Veröffentlicht in: | 胆道 2009-12, Vol.23 (5), p.806-815 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」:十二指腸乳頭部近傍領域のCT診断においては1.25mm以下の検出器厚による多相造影検査と2-3mm厚の水平断と高分解能のmultiplanar reformatted imagesの作成が重要である. これらの画像は, 主膵管, 膵内胆管, 膵頭十二指腸動脈などの細かな解剖学的構造の描出を可能とする. また, 膵実質相において膵頭部と十二指腸の間に造影効果の低下した領域が描出され, この領域は膵胆管をOddi括約筋が取り巻いている領域に相当すると推定される. 膵胆管拡張の原因検索のためCT検査が施行された乳頭部腫瘍の症例において, CTの果たすべき最も重要な役割は膵癌や胆管癌などの他の疾患を除外することである. しかしながら, CTは共通管, Oddi括約筋, 十二指腸固有筋層を分離して同定できないため, 局所進展度診断におけるその役割は限られる. 乳頭部腫瘍は比較的予後が良好であるため, CT検査の施行においては, その被曝や造影剤に伴う副作用にも十分留意すべきである. 「はじめに」十二指腸乳頭部腫瘍は, 比較的早期に胆管や膵管の通過障害による症状を呈することやその生物学的悪性度の相違から膵癌や胆管癌に比べて予後が良好であるとされている. |
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ISSN: | 0914-0077 |