拡大肝右葉切除,尾状葉切除,門脈合併切除を施行したエホバの証人患者における肝門部胆管癌の1例
症例は49歳男性, エホバの証人であった.人間ドックにて肝機能障害を指摘され当科紹介となり, 精査の結果, 右肝管を主座とした肝門部胆管癌で右門脈・門脈本幹への浸潤が認められた.以上より肝門部胆管癌の診断で, 肝拡大右葉切除, 尾状葉切除, 門脈合併切除再建術を予定術式とした.患者は原則的には輸血を拒否したが, 十分なインフォームド・コンセントにより生命危機の際は夫人の同意のもとでの輸血の同意が得られ手術を施行した. ハーモニックスカルペルの使用と慎重な手技により手術時間11時間14分, 出血量985mlにて手術を完了した.周術期にもアルブミンの使用のみで輸血を行うことなく経過し第17病日に退...
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Veröffentlicht in: | 胆道 2006/10/31, Vol.20(4), pp.515-521 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は49歳男性, エホバの証人であった.人間ドックにて肝機能障害を指摘され当科紹介となり, 精査の結果, 右肝管を主座とした肝門部胆管癌で右門脈・門脈本幹への浸潤が認められた.以上より肝門部胆管癌の診断で, 肝拡大右葉切除, 尾状葉切除, 門脈合併切除再建術を予定術式とした.患者は原則的には輸血を拒否したが, 十分なインフォームド・コンセントにより生命危機の際は夫人の同意のもとでの輸血の同意が得られ手術を施行した. ハーモニックスカルペルの使用と慎重な手技により手術時間11時間14分, 出血量985mlにて手術を完了した.周術期にもアルブミンの使用のみで輸血を行うことなく経過し第17病日に退院した.本症例のような特殊例においての大量肝切除の適応は慎重に判断されるべきであるが, 十分なインフォームド・コンセントのもと根治性を目指した手術が可能と考えられた. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.20.4_515 |