肝門部胆管癌を合併した限局性原発性硬化性胆管炎の1例
今回我々は, 術前に肝門部胆管癌と診断し手術を行ったが, 病理学的には狭窄部の主体は硬化性胆管炎と診断され, さらにその一部に早期胆管癌の合併した症例を経験した. 症例は78歳, 女性. 肺病変の検索のため撮られたCTで左葉の肝内胆管拡張を指摘された. ERCPおよびPTCで左肝管の2cmにわたる狭窄を認めた. 胆汁細胞診はClass IIIであった. 確定診断をつけるため経皮的胆道内視鏡検査下に生検を試みるが採取上皮が少なく診断が得られなかった. 肝門部胆管癌を否定できないため, 拡大肝左葉切除術, 肝外胆管切除術および胆道再建術を行った. 胆管合流部から左肝管にかけて全周性の狭窄を認めた....
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Veröffentlicht in: | 胆道 2006/05/31, Vol.20(2), pp.198-203 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回我々は, 術前に肝門部胆管癌と診断し手術を行ったが, 病理学的には狭窄部の主体は硬化性胆管炎と診断され, さらにその一部に早期胆管癌の合併した症例を経験した. 症例は78歳, 女性. 肺病変の検索のため撮られたCTで左葉の肝内胆管拡張を指摘された. ERCPおよびPTCで左肝管の2cmにわたる狭窄を認めた. 胆汁細胞診はClass IIIであった. 確定診断をつけるため経皮的胆道内視鏡検査下に生検を試みるが採取上皮が少なく診断が得られなかった. 肝門部胆管癌を否定できないため, 拡大肝左葉切除術, 肝外胆管切除術および胆道再建術を行った. 胆管合流部から左肝管にかけて全周性の狭窄を認めた. 病理組織検査では, 肝管は線維性増殖による狭窄を示し, 肝実質では門脈領域主体の炎症変化を認め, 硬化性胆管炎の診断であった. しかし, 狭窄部の一部に異型性のある腺管が散見され, またリンパ管内での癌細胞の増殖がみられ胆管癌と診断された. 限局性原発性硬化性胆管炎の一部に早期胆管癌を合併する珍しい症例であった. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.20.2_198 |