腹腔動脈起始部圧迫症候群を合併した中部胆管癌の1例

症例は75歳男性. 既往歴として昭和44年, 十二指腸潰瘍穿孔にて2/3胃切除術施行. 現病歴は平成14年7月頃より全身の掻痒感出現し,近医受診.黄疸を認め, 当院紹介入院となった. 腹部US,CTにて中部胆管の狭窄を認め,その後の精査にて中部胆管癌と診断された. また血管造影で,腹腔動脈起始部の閉塞, 総肝動脈と脾動脈は膵頭動脈アーケードを通じ逆行性に造影され, 正中弓状靱帯による腹腔動脈起始部圧迫症候群の合併と診断された. 術中に正中弓状靱帯を切離し, 腹腔動脈起始部の圧迫を解除したところ, 腹腔動脈の拍動は良好となり肝静脈酸素飽和度(ShvO2)の低下も認めず, 膵頭十二指腸切除術を施行...

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Veröffentlicht in:胆道 2004/05/31, Vol.18(2), pp.234-239
Hauptverfasser: 山元, 俊行, 堀口, 明彦, 花井, 恒一, 水野, 謙司, 石原, 慎, 伊東, 昌広, 岩瀬, 祐司, 佐藤, 禎, 永田, 英生, 清水, 朋宏, 古澤, 浩一, 宮川, 秀一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は75歳男性. 既往歴として昭和44年, 十二指腸潰瘍穿孔にて2/3胃切除術施行. 現病歴は平成14年7月頃より全身の掻痒感出現し,近医受診.黄疸を認め, 当院紹介入院となった. 腹部US,CTにて中部胆管の狭窄を認め,その後の精査にて中部胆管癌と診断された. また血管造影で,腹腔動脈起始部の閉塞, 総肝動脈と脾動脈は膵頭動脈アーケードを通じ逆行性に造影され, 正中弓状靱帯による腹腔動脈起始部圧迫症候群の合併と診断された. 術中に正中弓状靱帯を切離し, 腹腔動脈起始部の圧迫を解除したところ, 腹腔動脈の拍動は良好となり肝静脈酸素飽和度(ShvO2)の低下も認めず, 膵頭十二指腸切除術を施行しえた. 本症例は, いままでの術式の安全性をShvO2の面からも証明できた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.18.2_234