動脈合併切除再建, 肝外胆管切除再建にて切除しえた肝エキノコックス症の1例
「要旨」:肝左葉に発生し, 肝動脈・胆管浸潤を認めた肝エキノコックス症に対して, 拡大肝左葉切除, 肝外胆管切除, 肝動脈合併切除・再建にて治癒切除できた症例を経験した. 症例は58歳女性で, 黄疸を主訴に近医受診し, 腹部USおよび腹部CTで肝左葉全体に腫瘤を認め, 血清学的検査にて肝エキノコックス症と診断された. 胆管造影では腫瘤の浸潤により, 左肝管閉塞, 肝門部胆管狭窄を認め, 減黄目的にERBDチューブが挿入された. 減黄後, 手術目的に当科紹介され拡大左葉切除を行なった. 開腹時の腹腔内所見は, 肝十二指腸間膜で右肝動脈は胆管に浸潤した腫瘤と一塊となって剥離不能であったため, 右肝...
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Veröffentlicht in: | 胆道 2004-03, Vol.18 (1), p.81-87 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」:肝左葉に発生し, 肝動脈・胆管浸潤を認めた肝エキノコックス症に対して, 拡大肝左葉切除, 肝外胆管切除, 肝動脈合併切除・再建にて治癒切除できた症例を経験した. 症例は58歳女性で, 黄疸を主訴に近医受診し, 腹部USおよび腹部CTで肝左葉全体に腫瘤を認め, 血清学的検査にて肝エキノコックス症と診断された. 胆管造影では腫瘤の浸潤により, 左肝管閉塞, 肝門部胆管狭窄を認め, 減黄目的にERBDチューブが挿入された. 減黄後, 手術目的に当科紹介され拡大左葉切除を行なった. 開腹時の腹腔内所見は, 肝十二指腸間膜で右肝動脈は胆管に浸潤した腫瘤と一塊となって剥離不能であったため, 右肝動脈の一部を合併切除し, 右肝動脈と固有肝動脈を端々吻合して再建した. 本症は発見時にすでに脈管・胆管浸潤を伴って広範囲に進展し, 切除不能な場合もある. 本症例は肝門部に高度に浸潤していたものの, 肝外胆管切除, 肝動脈再建にて切除できた, 稀な症例と思われ報告した. 「はじめに」肝エキノコックス症は肝の寄生虫性嚢胞性疾患で, 発症するまでに5~15年と長期にわたり1), 外科的切除が唯一の根治療法である. しかし, 発見時にはすでに高度な脈管・胆管浸潤を呈し, 切除不能例も少なくない2). |
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ISSN: | 0914-0077 |