回虫石形成が経過観察できた胆道内回虫迷入症の1例
症例は77歳の女性,嘔吐と腹部痂痛を主訴に来院右悸肋部に自発痛,圧痛を認め, 好酸球数の上昇と肝胆道系酵素の上昇を認めた. USで総胆管から胆嚢内にかけて運動性のある索状エコーを認めたことから,寄生虫の胆道内迷入を疑いERCを行った.乳頭に迷入した虫体を内視鏡下にバスケット鉗子で摘出を試みたが, 虫体の活動性が強く摘出は困難で,経鼻胆道ドレナージチューブより駆虫薬であるパモ酸ピランテルを注入した.翌日には虫体は胆嚢内に完全迷入し,死虫となった.MRCPにても胆嚢内に迷入した虫体が索状の透瞭像として描出され,便中に回虫卵を確認した.胆嚢内の死虫が次第に不明瞭化するも,第7病日には胆砂が出現した....
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Veröffentlicht in: | 胆道 2002/03/25, Vol.16(1), pp.57-62 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は77歳の女性,嘔吐と腹部痂痛を主訴に来院右悸肋部に自発痛,圧痛を認め, 好酸球数の上昇と肝胆道系酵素の上昇を認めた. USで総胆管から胆嚢内にかけて運動性のある索状エコーを認めたことから,寄生虫の胆道内迷入を疑いERCを行った.乳頭に迷入した虫体を内視鏡下にバスケット鉗子で摘出を試みたが, 虫体の活動性が強く摘出は困難で,経鼻胆道ドレナージチューブより駆虫薬であるパモ酸ピランテルを注入した.翌日には虫体は胆嚢内に完全迷入し,死虫となった.MRCPにても胆嚢内に迷入した虫体が索状の透瞭像として描出され,便中に回虫卵を確認した.胆嚢内の死虫が次第に不明瞭化するも,第7病日には胆砂が出現した.そこで利胆薬を長期に投与したところ,胆砂は消失した. 回虫の迷入した胆嚢をUSにて6カ月間観察し, 利胆薬が胆石形成予防に奏効したと考えられ,報告した. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.16.1_57 |