急性膵炎に対する開腹ドレナージ手術既往例に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し得た1例

高度な腹腔内の癒着が予想される,急性膵炎に対する開腹ドレナージ手術既往例に対し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し得た1例を経験したので報告する.症例は63歳,男性.36歳時に急性膵炎にて,開腹ドレナージ手術が施行されていた.上腹部正中に切開痕と,その左側に2カ所,右側に1カ所のドレーン痕が認められた.第1トラカールは右上腹部に小開腹法で,腹腔鏡挿入用第2トラカールをやや右側の心窩部と右手鉗子用トラカールを臍右側に,腹腔鏡観察下のもと癒着のない僅かなスペースで穿刺挿入し,3孔式の腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.腹腔鏡下胆嚢摘出術は,比較的癒着の高度な急性膵炎術後においても,適切なトラカール位置の慎重な選...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:胆道 2001/03/30, Vol.15(1), pp.59-63
Hauptverfasser: 坂東, 正, 霜田, 光義, 塚田, 一博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:高度な腹腔内の癒着が予想される,急性膵炎に対する開腹ドレナージ手術既往例に対し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し得た1例を経験したので報告する.症例は63歳,男性.36歳時に急性膵炎にて,開腹ドレナージ手術が施行されていた.上腹部正中に切開痕と,その左側に2カ所,右側に1カ所のドレーン痕が認められた.第1トラカールは右上腹部に小開腹法で,腹腔鏡挿入用第2トラカールをやや右側の心窩部と右手鉗子用トラカールを臍右側に,腹腔鏡観察下のもと癒着のない僅かなスペースで穿刺挿入し,3孔式の腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.腹腔鏡下胆嚢摘出術は,比較的癒着の高度な急性膵炎術後においても,適切なトラカール位置の慎重な選択により,施行可能な症例があると考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.15.1_59